社会人になって初めてビールを注いだときの緊張を思い出す人もいるのでは――。
「新入社員が注いだビール」というテキストとともに投稿された、一杯のビール写真がTwitterで話題になっています。
ツイートには「小さい頃の私がパパに注いだビールもこんなんだった」「居酒屋バイト初日にこれやらかした」といったコメントが寄せられ、9万件を超える「いいね」が集まる形に。
これはやっちまったなあ、と思いきや、実は……?
ほとんど泡じゃん!! と思ったら……?
投稿したのは、B級グルメとお酒が大好きだと語る、中央区上落合さん(@Kamiochiai_Chuo)。
画像に写っているビールはほとんどが泡で、液体部分はグラスの底にほんの少し見えているだけ。
一見、いかにも新社会人が注ぐのを失敗してしまったような一杯ですが……実はこれ、「ミルコ」と呼ばれる伝統的なビールの注ぎ方なのだそうです。知らなかった~~!
どんな味なの……? 飲んだ感想を伺いました
中央区上落合さんよると、ここは「ウルケル(※)の樽生を味わえる希少なお店なので、ビール好きは絶対行くべき」とのこと。
ここを訪れたのは実に4年ぶりだといいますが、久々に飲んだ感想を聞くと、次のように答えてくれました。
濃密かつクリーミーで心地良い甘みの「至高の泡」をダイレクトに味わえて、飲んだあと思わず微笑んでしまうほどのおいしさでした。
管理の行き届いたサーバーに加えて、注ぎ師の圧倒的技術がなければ味わえない注ぎ方であり、有象無象の飲み屋で提供される生ビールとは雲泥の差なので、ツイートを見て気になった方はぜひ一度味わっていただきたいです。
中央区上落合さん自身、初めてミルコを見たときには「これ泡だらけでぶっちゃけ損じゃね?」と思ったそうですが、飲んでみて泡のおいしさに感動したとのこと! これはますます飲んでみたい……!
※ピルスナーウルケル:チェコで生産されているビールの一種で、現在世界でもっとも普及している「ピルスナービール(黄色くて透き通ったビール)」の原点とされているお酒
このビールを提供しているのは、東京都・新橋にあるビアバー「Brasserie Beer Blvd.(ブラッセリー・ビアブルヴァード)」
紹介されていたお店「Brasserie Beer Blvd.」は、JR新橋駅・ 地下鉄新橋駅・都営大江戸線汐留駅から徒歩6分。
「お一人様のちょい飲みから大人数でのパーティまで、気軽にうまいビールを楽しんでいただける」ことをコンセプトに開業し、今年で営業10年目となるビアバーです。
編集部はオーナーの佐藤裕介さんにお話を伺いました
佐藤さんは2018年にチェコで修行し、ピルスナーウルケルが認定する、ビールの注ぎ手の称号「タップスター」を日本人ではじめて取得。お店のオーナーを務める傍ら、ピルスナービールのアンバサダーとしても活動しています。
――メニュー表を見ると、ミルコ以外にも2種類のビールの注ぎ方がありましたが、それぞれの違いや味の特徴を教えてください。
メニュー内容の通りにはなりますが、チェコ伝統の定番の注ぎ方が「ハラディンカ」になります。要は「ビールちょうだい!」と言ったらコレが出てきます。
「シュニット」は、液体2:泡3:空寸1で提供して、より味わいや香りを強調した注ぎ方。ビールを注ぐ人が、シュニットでコンディションをチェックするというものです。
そして「ミルコ」はチェコ語では「ムリーコ」=牛乳と発音します。きめ細かくトロトロな泡だけを楽しむ注ぎ方です。麦芽の甘みとコク、ホップの苦味が泡のクリーミーさと相まってクセになる触感です。
――実際にミルコで注ぐ際にどのようなスキル・コツが必要でしょうか?
チェコビールならではの特別な機材(蛇口のところをタップといいます)を使い、微妙なハンドル調整によりきめ細かい泡を作り出し、スピード感ある手さばきで、液体に戻る前に注ぎあげることが必要です。
――オススメの「ミルコ」の楽しみ方があれば、ぜひお聞かせください。
デザートと合わせると、ほどよい苦味が甘さを引き締めます(コーヒーのように)。当店で出しているカタラーナ(スペイン風クレームブリュレ)は、ピルスナーウルケルが持つ独特の製法によるカラメル感と相性抜群です!
佐藤さんは「アサヒ スーパードライ」のCMでもビールを注いでいる、ビールのプロ! その様子がこちら!!
Brasserie Beer Blvd.では、最高コンディションのスーパードライとピルスナーウルケル、そしてビールに合うたくさんの料理が楽しめます。
トロトロでクリーミーな泡のおいしさが楽しめるという「ミルコ」、ぜひ飲んでみたいですね!