• worklifejp badge
  • borderlessjp badge

勝手にサンドイッチをつまんだ清掃員、解雇。労働組合は「不当な差別」と抗議

女性従業員の解雇後、女性が所属する労働組合は抗議活動を展開した。同組合は、女性が「不当な差別」を受けたとして、雇用審判所に提訴するとしている。

法律事務所の清掃を担当していた従業員が、廃棄される予定だったサンドイッチを「勝手につまんだ」という理由で、解雇された。

それに対し、従業員が所属する労働組合が抗議活動を展開し、話題を呼んでいる。

清掃会社から不当に解雇されたと訴えるのは、エクアドル出身のガブリエラ・ロドリゲスさん。

英ロンドンにあるトータル・クリーン社に所属し、派遣先のデヴォンシャーズ法律事務所の清掃を2年間担当していた。

ロドリゲスさんは2023年11月14日、弁護士たちの会議後、残っていたツナサンドイッチ(約300円相当)を食べた。手がつけられていなかったため、その後廃棄されると思っていたという。

しかし、法律事務所から「サンドイッチが戻ってきていない」と清掃会社に苦情が入った。

その結果、同年12月末、「合理的な理由やその権利がないにもかかわらず、派遣先の所有物を持ち出した」という理由で、ロドリゲスさんは清掃会社から解雇された。

Roll On Fridayによれば、ロドリゲスさんは解雇の決定を拒んだが、清掃会社は「窃盗は窃盗だ」とし、法律事務所と揉めたくないとの理由で、ロドリゲスさんの復職を認めなかったという。

これに対し、ロドリゲスさんが所属する労働組合「UVW」とその組合員が、抗議活動を展開。ツナサンド300個とツナ缶100個、さらには横断幕やプラカードを持ち、法律事務所の前で抗議を行なった。

300 tuna sandwiches and 100 cans of tuna. That’s what we brought to city law firm, Devonshire Solicitors, to protest the sacking of Gabriela, an outsourced migrant cleaner and UVW member on grounds of "theft" of a £1.50 Tesco tuna sandwich.#tunagate pic.twitter.com/9Z7Cil69Ws

— United Voices of the World (@UVWunion) February 19, 2024
Twitter: @UVWunion

英ガーディアン紙の取材に対し、UVWのペトロス・エリア書記長は、清掃会社の対応は「人種差別的だ」と非難している。

「清掃員たちが汚れを落とす仕事をしているからといって、汚物のように扱っていいことにはなりません」

「私たち組合は、言語や出身、肌の色に関係なく、敬意、尊厳、そして平等を求めます」

同組合は、清掃会社と法律事務所の双方を、人種差別的な対応があったとして、雇用審判所に提起するとしている。

これを受け、両者の担当者がコメントを発表した。

清掃会社は「通常、当社の人事についてお答えしておりません。ですが、元従業員の誤解を招く、かつ正確でない情報には、適切に対処してまいります」とコメント。

一方、法律事務所は、圧力はなかったと否定している。

「当社はロドリゲスさんに対し、正式な苦情も申し上げていないし、彼女にいかなる措置も取らないよう明確に伝えていました。彼女の解雇は、当社には一切関係なく下されました」

「もし清掃会社が考えを変え、ロドリゲスさんの復帰を認めるならば、これまで通り、彼女が当社の担当として働くことに異論はないと、明確に伝えました」