燃えさかる家から5人の子どもを救出
米インディアナ州の民家で、火災が発生。家の中にいた5人の子どもたちを救ったのは、ピザの配達員でした。
インディアナ州ラファイエットに住むニコラス・ボスティックさん(25)。
7月11日(月)の午前0時半ごろ、自宅に帰る最中に火事に遭遇したといいます。
その緊迫の様子を、あとから駆けつけた警察官のカメラが捉えていました。
地元のテレビ番組のジャーナリストが、映像の一部を引用してTwitterに投稿しています。
《【衝撃】ラファイエット警察のカメラ映像です。地元のヒーロー、ニコラス・ボスティックが、火があがる家から6歳の子どもを救出した映像です》
もう一人取り残されていると知って…
ニコラスさんは、当時の状況を、地元テレビの取材に答えています。
「玄関まで近寄って、家の中に誰かいない確かめるため叫びました」
最初は誰もいないと思ったそうですが、住宅の2階で18歳の長女を含む4人の子どもたちを発見。
「出て行きましょうと言うと、階段を下りて家の外までついてきました」
「家の裏口から出て、他に誰か取り残されていないかと尋ねると、彼らはもう1人いると言いました」
ニコラスさんは、急いで家の中に戻り、取り残されていた6歳のケイラニちゃんを発見します。
しかし、なかなか脱出できなかったといいます。
「(子どもたち4人と出てきた)裏口を探したんですが、見つからなかったです。(燃えさかる中)あまり迷子になりたくなかったんです」
煙もすごかったため、ニコラスさんは2階の窓から飛び降りるしかなかったそう。
「4人の子どもを見つけた最初の部屋に、窓があったのを覚えていました。なので、そこが脱出する最善の策だろうと思いました」
「女の子を見つけて、すぐに抱きあげて階段を登りました」
そして、「ためらいもなく」2階の窓ガラスを割ったといいます。
「女の子が『窓を通り抜けたくない』と言っていました。でも、窓を通り抜けるしかありませんでした」
ニコラスさんの腕に抱えられて飛び降りたケイラニちゃんは無事でしたが、ニコラスさんは、複数の怪我を負っていました。
ニコラスさんは、重傷を負いながらも、「子どもたちは大丈夫ですか?」と心配していました。
ツイートには、多数の褒め称える声
番組記者が投稿したツイートには、1万3000いいねと多くの賞賛が集まりました。
「救う価値がある出来事だった」
ニコラスさんは、救出劇を振り返って、こう語りました。
「(救う)価値がある、それだけの出来事でした。小さな犠牲だと自分に言い聞かせました。この一時的な痛みは、価値があるものなのです」
地元メディアのみならず、FOXニュースにも出演したニコラスさん。
キャスターから、「何か特別な訓練をしているのか?」と聞かれると、次のように答えました。
「なにもしていない。ただ、シカゴの警察や消防の番組を見ていただけ。(それを見て)いつも誰かを助けたいと思っていた」
地元メディアによりますと、ニコラスさんは、近く救出した子どもたちの家族と面会する予定だといいます。