ジャニーズ事務所の性加害問題をめぐり、事務所の取引先で音楽企業FRAGMENTの対馬芳昭・代表取締役がnoteを公開しました。
「被害に遭った方々の声を無視し、利益を優先した」として謝罪。これまで同社との仕事で得た86万円の利益全額を、認定NPO法人フローレンスに寄付したと公表しました。
対馬氏によると、 FRAGMENT社はこれまでジャニーズ事務所と「ツアーバンドや楽曲アレンジ」などの仕事を請け負っていました。
事務所との仕事で得た営業利益は2014年から約9年間で約86万円にのぼったといいます。
対馬氏は9月12日の投稿で、
「私個人としてはこれまでの利益をそのままにしておくことはできない」
「今までに得た86万円全額を子どもの虐待や貧困に支援をおこなっている団体に寄付することに決めました」
と表明しました。
そして9月13日には
「noteの記事にご支援いただいた1万1700円、合わせて87万1700円を認定NPO法人フローレンスに寄付させていただきました」
と新たな報告を付け加えています。
取引当時、被害の訴えを「知っていた」
不定期でジャニーズ事務所と仕事をしてきたという同社。
対馬氏は性加害の疑惑を認識していたにもかかわらず、事務所と仕事をしていた事実を認めます。
「『この件を知っていながら仕事をしたのですか?』という問いに対し、うそ偽りなく答えるのであれば『知っておりました』と言わざるを得ません」
そして、あくまで生前の喜多川氏に会ったことはないとしつつ、
「ネットなどを通じて過去にたくさんの方々が被害を訴えていることは把握しておりました」
と明かしました。
記者会見で認識が変化
事務所の記者会見で対馬氏の認識は、変わったようです。
対馬氏は「ジャニー喜多川氏による性加害、そしてジャニーズ事務所による隠蔽の問題が明るみになりました」とし、「取引先であり同じ音楽業界にいる私もこの件に向き合い、反省する必要があると強く感じております」と説明しました。
さらに「今回の記者会見を見て、様々な事を考えました」とした上で、
「性加害の上に成り立っていた会社の繁栄の一端を担った」
「弊社の繁栄の一部もジャニーズ事務所からの売上である」
「被害を訴えている方々がいるのにもかかわらず気を止める事なく利益を優先した」
との認識に至り、「どんな理由があれど、その事実に向き合う必要があります」と決意をつづります。
「私は加担した側にいた」
そして対馬氏はこれまでの考え方を否定します。
「仕事の現場で関係者に『うわさは本当ですか?」と問うことなんてできない……あくまでうわさだと思っていた……と言ってしまうと過去の自分と全く同じ『逃げ』になってしまいます」
さらに、「私は加担した側にいたということを認識すべきだと考えております」と明記しました。
投稿の終わりには、
「自分の身を守ることを優先した過去の自分を大変恥ずかしく思います」
「子どもに対する性的搾取、性的虐待、マインドコントロール、グルーミングによって繁栄するような構造を問題として認識し、然るべき対応を取るよう自分自身に言い聞かせる必要があると感じております」
「自身の行動も省みて加害者にならないよう肝に銘じていこうと思います」
と結びました。