「上司に相談しても意味がない」社風
報告書は「ダイハツの存在意義として開発部門の組織内で根付いたもの」として“短期開発”を挙げています。
窮屈なスケジュールで開発日程の死守が求められており、「『自分や自工程さえよければよく、他人がどうあっても構わない』という自己中心的な風潮、組織風土が『社風』として深く根付いている可能性がある」と指摘。
さらに「『できて当たり前』の発想が強く、何か失敗があった場合には、部署や担当者に対する激しい叱責や非難が見られる」と記載されています。
また会見での説明では、上司が多忙で現場にほとんど出向かず、「相談に行っても意味がない」という状況があったと説明。経営層は「認証手続きについてはある意味で無関心だった」といいます。
不正の原因について奥平総一郎社長は会見で「経営陣・管理職が現場の負担やつらさを十分に把握せず、放置してきたことにあると考えています。その結果、プロジェクト推進を優先し、法令、ルールを守れない企業文化が形成された、その全ての責任は経営陣にあります」と語りました。
安全性の問題は確認されていない
再検証の結果、現状では安全性の問題はないといいます。会見で奥平社長は「社内で安全性を再検証した結果、乗り続けて問題がある事象は発生しなかった。今まで通り安心して乗っていただければと強く思っている」と話しました。
またトヨタ自動車の100%子会社であるダイハツ。トヨタについて委員会は「ダイハツの経営幹部が気づいていないなかで、トヨタ側では気づき得なかった」としています。
12月21日には国土交通省が立ち入り検査
国土交通省は12月21日、大阪府池田市の本社に立ち入り検査に入りました。道路運送車両法に基づいた行政処分も視野に調べています。