北京2022冬季オリンピック、アルペンスキージャマイカ代表のベンジャミン・アレクサンダー選手(38)は、元DJです。彼が初めてスキーブーツを履いたのは、なんと32歳のとき。それから6年で、五輪出場の夢を果たしました。
ベンジャミン選手は、ジャマイカ初のアルペンスキー代表選手でもあります。冬季オリンピックに出場するジャマイカ代表選手は、史上15人目です。
競技人生のスタートは、2015年。カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州でのヘリスキーに招待されたのがきっかけでした。
そこで翌年の2016年2月、ベンジャミン選手はカナダ・ウィスラーでスキーのレッスンを受けました。
「でも僕は、転倒27回をベースラインに設定しました。次、転倒を27回以内におさめれば、進歩したということになるから」
ベンジャミン選手が競技への本格的な参入を考えたのはそれから2年後、2018年でした。
「だから、2019年にある計画を立てました。『オリンピックに出場するというクレイジーなアイデアが、実現可能かちょっとやってみよう』『少しの間本格的にスキーをやって、どうなるかみてみよう』って」
「4日目、プロの一流スキーヤーに会いました。僕は彼に『ジャマイカ代表でオリンピックに出ようと思う。意味がわからないだろうけど、アドバイスがほしい。今やっていることが時間の無駄かどうか』と伝えました」
ジャッジの結果は…全然ダメ。
世界トップレベルで戦ってきたスキーヤーから見て、ベンジャミン選手の強みは「恐れ知らずなこと」でした。
2019年の終わりに、ベンジャミン選手はアメリカ、ワイオミング州のジャクソンホールに拠点を移します。それから北京冬季オリンピックに向け、フルタイムでトレーニングに励みました。
イギリスで生まれ、ジャマイカ人の父を持つベンジャミン選手。「30年後に今を振り返って、『あの人が始めたから、それ以来ジャマイカにはすばらしいアルペンスキーヤーがいるんだよ』と言われたい」と語ります。
「こうやってハードルを超えていくことで、僕の後に続く若い世代がアスリート生活に集中できるようになるといい」とベンジャミン選手は語ります。
ベンジャミン選手の今後の目標は「ジャマイカスキー連盟の会長になること」だそうです!
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:髙橋李佳子