「駅から徒歩○分」の基準になった一人の女性。彼女の1分が“部屋探し”を変えた

    さかのぼること半世紀(!)

    「駅から徒歩○分」って、どれくらい正確なの?

    家から駅まで歩いて何分かかるかは、物件を選ぶ際の重要なポイントですよね。

    でも実際に住んでみると、表示されているより時間がかかったり、逆に早く着いたり。

    「なんだか当てにならないような…」と思ってしまうこともあります。

    どういった方法で“徒歩○分”を決めているのでしょうか。

    1分=80m。基準ははっきり定められていました。

    表示は不動産公正取引協議会が定める規約にのっとっています。

    「徒歩による所要時間は、道路距離80メートルにつき1分間を要するものとして算出した数値を表示すること。この場合において、1分未満の端数が生じたときは、1分として算出すること」(規約より)

    これは、どのように決まったのでしょうか。首都圏不動産公正取引協議会に聞いてみました。

    実は基準になった女性がいた

    「昭和38年ですね。当時の公正取引委員会が決めました」

    「役所に勤めていた一人の女性にヒールを履いて歩いてもらったんです。ローヒールでもない、当時の中ヒールでしょうか」

    約50年前、役所に勤めていた一人の女性がヒールで歩いた速さ。それが今もそのまま全国の不動産広告に使われているそうです。

    「場所は外ではなく、廊下だったはず。歩いてもらったら、1分で80mだったんですね」

    歩く人の歩調が彼女に合うかどうかで、表記の正確さも変わってきそうです。