雑誌『POPEYE』は、今年で40周年

今や男性誌の金字塔とも言える雑誌『POPEYE』。
1976年に創刊されてから40年が経ちました。6月10日発売の7月号では40周年を記念し、創刊号が付録になっています。
POPEYEが描いた新しい時代

創刊号では「カリフォルニア特集」を打ち出し、アメリカの文化を積極的に紹介しました。
70年代、『宝島』とともに日本へ新しい風を吹き込んだとされている POPEYEは、多くのカルチャーを日本に定着させたと言われています。
アメリカの“自由”なファッションを運んできた

こちらは創刊号のなかの1ページ。日本にまだ専門店がない時代の、スケートボード研究ページです。
創刊号には、当時ロサンゼルスで最もポピュラーだったスケートボードやスニーカーを集めたカタログが掲載されました。
当時の米国ではジョギングが流行しており、POPEYEは雑誌の中でその定義からシューズの選び方まで、細かく紹介しました。

この頃から、スケーターファッションがジャンルとして意識されるようになりました。
「スナップ企画」も積極的に打ち出した

こちらは「スケートボード野郎達」の一言が目を引く、創刊号のスナップページです。
西海岸で過ごす人の姿をそのまま写し出したかのような気取らないスナップからは、“向こうのにおい”が感じられます。
イラストレーターとして活躍した小林泰彦氏によるスナップルポもありました。

ストリートスナップの元祖とも言える迫力です。POPEYEは写真だけでなく、多様な形でファッションを表現してきました。
ファッションだけじゃない。「恋愛」も教えてくれた

POPEYEは男性のためのファッションを提案するだけではありません。
創刊号には「CALIFORNIA GIRLS」と題されたページがあり、カリフォルニアで過ごす女性たちの姿が紹介されています。
2014年1月号では12年ぶりの「デート特集」が、2015年1月号では「ガールフレンド特集」が組まれました。

小松奈菜さんが表紙を飾り、目次には「ガールフレンドを笑顔にする100のこと。」 「キスはやっぱり最高だ!」など、ドキっとしてしまうような言葉が並びました。
“自分を見つける”文化をつくった雑誌

POPEYEが台頭する以前、男性誌はまだ日本に誕生してまもなく、読者は雑誌の提案するスタイルを一律に受け入れるだけだったと言います。
S&E総合研究所の寄稿記事には、こんな記述があります。
この世代(現在40~50歳代)の男性は「ポパイ」や「ホットドッグプレス」といった男性向けファッション雑誌で育ったいわゆる「カタログ文化」世代である
雑誌というカタログから“選ぶ”文化が、POPEYEなどの雑誌の創刊をきっかけに誕生し、読者は自分なりのファッションを楽しむようになったとされています。
40年間、いつも変わらず憧れでいてくれた『POPEYE』に拍手