20周年と同時に2億本突破 世界がハマった「ポケモン」の仕掛け

    株式会社ポケモンに聞いた

    20周年と同時に、2億本突破。

    人気ゲーム「ポケットモンスター」が1996年の発売から20周年を迎えた。同時にシリーズの世界累計販売本数は2億100万本を突破。これまでに25タイトルがリリースされ、発見されたポケモンの数は700種類を超えるという。

    これまでは日本語や英語、フランス語、イタリア 語、ドイツ語など7つの言語に対応していたが、最新作である『ポケットモンスター サン』『ポケット モンスター ムーン』では新たに中国語の繁体字、簡体字にも対応し、プレイヤーは全部で9種類の言語から選んで遊ぶことができるようになる。

    なぜポケモンは世界中で愛されるのか。それも20年もの長い間ーー。人気ゲームであり続ける理由を株式会社ポケモンに聞いた。

    鳴き声や音感は、地域に合わせて調整

    グローバル展開に際し、ローカライズは非常に丁寧に行っていると同社広報の諸月紗保子さんは話す。

    「単純に日本語を翻訳しても、現地ではわかりづらい表現、共感しづらい表現になることが多いので、鳴き声や音感など、各地域のスタンダードに合わせられるよう努力しました」

    例えば英語版では、主人公の名前も“Ash”に変更されている。鳴き声や音感にもこだわっており、2013年に発売された『ポケットモンスターX・Y』では、これまで電子音によって表現されていたピカチュウの声がアニメ同様の声に変化し、話題となった。

    なぜ、最初に3匹から選ぶのか。

    シリーズに共通するのは、プレイヤーがゲームを始める際に、最初のパートナーポケモンを『くさ・ほのお・みず』タイプの中から1匹選ぶようになっているところだ。

    フシギダネ、ヒトカゲ、ゼニガメーー。初めてゲームを手にした時、どのポケモンと一緒に旅をするか、悩んだ人も多いはず。

    絶対に3匹から選ぶ。この仕掛けにはどんな意図があるのだろうか。

    「三すくみの関係は国や言葉が違っても理解できます。また友だちと異なるポケモンを選ぶことで、それぞれの体験を共有し合うこともできるんです」と諸月さん。

    RPGというジャンルでありながら、1人ではなく、周りの人をポケモンの輪に引き込むための仕掛けを組み込んでいるという。

    ポケモンの普遍的な面白さ。

    「ポケモンはゲームを楽しむ上でも、人と人をつなぐ仕組みを担っていると思います。デバイスや通信手段の進化はありますが、この普遍的な要素は変わらない部分です」

    新作が発売する時は、決まって2つのゲームが揃う。この2つで出現するポケモンの種類は違い、手持ちのゲーム内に出現しないポケモンを手に入れるには通信するしかない。

    20年経った今も変わらず愛され続け、累計販売本数も2億本を超えたポケモン。世界中の人が共感する面白さはここにある。


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    訂正

    「1996年の発売から」の誤りでした。修正いたします。