血塗られた包帯、ファン同士の宗教戦争…「90年代V系バンギャ集会」が楽しすぎた件
2分に一回衝撃がありました。
※全員ふつうの社会人です
※このお二人も普段はふつうの社会人です

5月14日、渋谷で「90年代V系バンギャ集会」というイベントが開催されました。

▲参加資格が書いてあるポスター。解読不能です。
イベント内容は「7月の丘戦争に向けて、虜とピエラーで振り付けを予習します」というもの。わからなさが異次元です。

▲ 全然わからないので用語解説を挟んでいきます
全くバンギャではないのですが「見たことのない世界が見られるよ」と主催者の方に助言をいただき、潜入してきました。
35人限定、精鋭の集い

会場に入りました。Pierrot / Dir en grey、双方を10年以上愛するファンが集っています。
全くわからない人のために、このイベントを軽く解説しておくと
むかしむかし

「ライバル」として有名だったPierrotとDir en greyという2組バンドがいました。
それを取り囲むファンの対立は大変有名で「宗教戦争」と呼ぶ人もいたそうです。

しかし、その後Pierrotの解散などがありファン達も休戦状態に。
が、今年その2組が突然「7月に対バンライブをする」と発表したのです。
この発表を受けた当時のバンギャたちは震え「悟空とベジータがフュージョンするレベル」「宗 教 戦 争 再 開 」「行かなきゃ死ねない」とお祭り騒ぎになりました。
PIERROTとDIR EN GREY融合とかほんと全盛期では絶対ありえんしほんと戦争がおこるレベル
今回のイベントの目的は、この祭りに備え、双方のファンが振り付けを教えあおう!というものです。
さぞかし戦争明けの平和な空気が流れるのでは…

と思っていた矢先、Tシャツに「医薬用外毒物」と書いてある二人を発見。物々しさは相変わらずのようです。

Pierrotファン(ラー)の方がコスプレ準備をしていました。
見た目がめちゃくちゃ怖いのですが声をかけてみます。
「こっ…こんにちは〜」

「あっこんにちは。すいません私、銀火という者です」

「名刺があるんですね」「そうです。作りました」
過酷なタイムスケジュール

イベントは約3時間の振り付け練習タイムが設けられています。
「マスターするまで帰れません」の文字を見て場内がざわついています。

当時の懐かし雑誌コーナーもあり、隣には血染めの包帯が
包帯を作った主催者の飼い猫さんは「ベランダに干すと事件の香りがしたのでお風呂場で干しました」とイベント前につぶやいていました。賢明な判断です。

安全ピンご自由にお使いくださいコーナーも。
「顔に貼るためのものです」「他のお客様の背中を刺す等の行為はやめてください」と注意書きもあります。帰りたい。

そして安全ピンはこう使うらしい

やってみたら簡単にバンギャっぽくなれました。なるほどな〜〜〜〜
戦争開幕、スタートからまさかの気合い

談笑タイムが終わり、主催者のひにしあいさんから 「ではせっかくなので円陣からはじめます」と一声が。円陣…?と戸惑っていると

何の疑問も持たず肩を組み始めるみなさん。昔はライブ前に会場近くで円陣を組むバンギャが多くいたそうなのです。
「お前ら戦争の準備はできてんのか!?」
「ウォーイ!」
「やっぞ!」
「ウォーイ!」
「やっぞ!」
「ウォーイ!」

▲「ウォーイ」のテンションこのぐらいでした。すごい気迫。

その後「なつかしい!!」「円陣懐かしすぎる」「泣きそう」と感極まるみなさん。本当にこれが日常だったんですね。
部活のような振付練習タイムへ

さて、ここから振付練習タイムです。V系ライブには振付が複雑な場合があるので、曲ごとに覚えていきます。

講師「いいですかー!ここで 反旗を翻して、そのあと新しい時代(ステージ)にいきます」
生徒「はい!!」
講師「では曲に乗せて踊ってみましょう」

全員「新しい時代(ステージ)へとー!」
私「あのちょっと振付の概念が想像を超えています」
主催者「そうなの。意外と難しいでしょ」
▲そして動きのバリエーションも多い。これを客全員で合わせるのですから異様な光景、異様な一体感に包まれます。謎の楽しさがある。

その後も「ここではピストルを打って、その後に十字を切ります」「ここは照明に合わせて動きます」など難しい振りの連続。
最高のライブを迎えようと、みなさん超真剣に練習しています。無趣味の人がみたら「趣味ってうらやましい」と卒倒するレベルの輝きです。
締めのヘドバン

無事振付も終了し、締めのヘドバンの準備をする主催者。曲がかかると
この状態になりました。 みんな社会人なのにヘドバン玄人すぎる。

最後は再度円陣を組み「おつかれさまでしたー!」で終了。
10年以上好きでいられるものがあって、こんなに夢中になれるなんてすごい…最後はバンギャのみなさんに尊敬の念しかありませんでした。バンギャ最高!

会終了後もみなさん懐かしそうに当時を振り返っていました。7月のライブレポが楽しみでなりません。