こちらの1970年代に販売されたバイク

このバイクの値段は

345.6万円(税込)!
いま、絶版バイク市場が高騰を続けています。40年以上前に発売されたバイクが、新車よりもはるかに高額なのです。どうしてここまでプレミアがついたのでしょうか?
国内最大の“国産”絶版バイク専門店「UEMATSU」の代表取締役社長 植松忠雄さんにその魅力をききました。

——絶版バイクにここまでプレミアがついているなんて知りませんでした。
店をはじめたのが25年前で、当時は60万程度で販売していました。ですが、最近では800万円を超えるバイクもあります。

——は、800万円……。もう高級車の域です。
年を追うごと“MADE IN JAPAN”の人気が高まっているんです。海外からも問い合わせがあります。最近では投資目的で購入する人もいます。
——どうしてそんなに人気なんでしょうか? 絶版車の魅力を教えてください。
まずはデザインです! ほら、こういうパーツとか


——あー!!! このレトロさ!!
そう! 合コンに行っても第一印象が大事じゃないですか(笑)。見た目がね、レトロで渋くてかっこいいんです。ほら、エンジンとか後ろの方も……。



ーー見た目の魅力、完全に理解しました。
見た目だけでなく「乗ってる感」があることも重要です。新車だとスルスル走れるのですが、ただモーターに乗ってるみたいで……。
絶版バイクだとそうは行きません。振動もあるし、バランスも良くないし。「操る魅力」があるんです。


大人の暴走族「旧車會(かい)」について
——バイクや旧車というと「暴走族」を連想してしまっていました。
それは「旧車會」と言って、暴走族だった人が大人になって、昔のように騒いで、迷惑行為をしているからだと思います。たびたびニュースに取り上げられ、話題になっていますよね……。

——そうしたニュースに対してはどう思いますか?
ウチはカスタマイズもやっていますが、違法改造には絶対に対応しません。そもそも、本当のバイク好きは迷惑行為なんてするわけがない。あの「旧車會」の中に、暴走族だった人がいるのかも疑問です。

昔は尾崎豊の歌が流行って「15の夜」に思いを乗せて悪さをする、というのが楽しかったかもしれません。僕もヤンチャしてた時期があったけど、あの楽しさってあくまで「若さ」「あの頃の青春」が前提だったように思います。今やっても面白いわけがない。「なんで今更?」というのが本音です。

気に入ったバイクは「人生の1ページ」になる
——10〜20代の人だと、いいなと思っても「購入」までは至らない人がほとんどだと思います。
「気に入ったバイクに乗る」というのは、ただ移動手段を増やすということではありません。バイクに乗って見に行った風景や、乗せた人、一緒に走った仲間……いろんな思い出に紐づく、人生の1ページを増やすということなんです。

——人生の1ページ!
まずは乗ってみないと、バイクがある人生は始まりません。「乗るかそるか」です。新車でも、安いバイクでもいいので興味を持ったら買ってみることをすすめます。バイクは本当にいいですよ。
僕は去年9月に、ヨーロッパ10カ国を5000km、バイクで旅しました。男4人で。それはもう最高でした。

さすがに絶版バイクは持っていけなかったので、レンタルバイクでしたけど(笑)。