トイレットペーパーも高額転売横行。メルカリではユーザー間で購入しないよう呼びかけも

    品不足が公式に否定されても、相次ぐ高額転売。メルカリユーザー間では「購入しないように」と呼びかけも起きている。

    「新型コロナウイルスの影響でトイレットペーパーの生産が滞る」……SNS上で根拠のない噂が広がり、全国でトイレットペーパーやティッシュペーパー、生理用品やおむつまでもが品薄になっている。

    全国的な混乱を受け、製紙メーカーの業界団体・日本家庭紙工業会は27日、生産能力が落ちているという噂を全面的に否定する声明を発表した。

    「トイレットペーパー、ティシューペーパーについては殆どが国内工場で生産されており、新型コロナウイルスによる影響を受けず、現在も通常通りの生産・供給を行っております」

    「原材料調達についても中国に依存しておらず、製品在庫も十分にありますので、需要を満たす十分な供給量・在庫を確保しています」

    経済産業省も「3週間分以上の在庫がある」「顧客が集中することで一時的な品薄状態が生じているが、順次解消していく見通し」とツイートしている。

    トイレットペーパーは、全国の工場だけでも3週間分以上の在庫があり、製造・配送も通常通りに行われています。一部の店舗等では、顧客が集中することで一時的な品薄状態が生じていますが、今後、順次解消していく見通しです。

    誤情報だが…高額転売も

    「輸入や生産が足りない」という噂は公式に否定されているが、品薄は起きている。

    単にSNS上の噂を信じた人たちだけでなく、ニュースで現状を知って「これから手に入りにくくなるなら、念の為」と購入した人、高額転売を目的とした人などが買い占めているようだ。

    実際、フリマアプリ「メルカリ」を見ると12ロール6パックで10000円などの高額で取引されている。

    高額転売の情報が広がるにつれ、「紙製品の不足はデマです」とサムネイルに設定した空出品をするなど、購入しないよう呼びかける人も出てきている。

    メルカリ、トイペで検索すると、転売ヤー非難のプロテスト出品がガンガン出てて熱い

    メルカリの転売対策は?

    新型コロナウイルスに関連する消耗品の高額転売について、メルカリはどんな姿勢を取っているのだろうか。

    同社は2月4日から、マスクの高額出品があった場合、出品者へ入手経路を確認する、商品の削除・ユーザーの利用制限などの対策をおこなってきた。

    「高額」の規準は公開していないが、社会情勢を鑑みて段階的に額を引き下げており、当初より監視体制は厳格になっているという。

    また、2月27日には、マスクに加え、

    • 除菌用ウェットティッシュ
    • 除菌用ハンドジェル
    • 消毒用アルコール
    • その他、コロナウイルス感染の予防を謳った商品


    の4商品を新たに削除・利用制限の対象に追加した。

    現在、高額出品が多数見られるトイレットペーパーに関しては、現時点ではこのリストには含まれていないが「状況を注視していきたい」(広報)とコメントした。

    ヤフオク!では200万円で入札が

    SNSでは転売の温床としてメルカリの名前が上がりやすいが、ヤフオク!やAmazon.co.jpなど、他のECサイトでも、マスクをはじめとする関連商品の高額転売は横行している。

    例えば、ヤフオク!では29日、「医療用マスク1万2000枚で200万円」の落札が。226件の入札があったようだ。

    ここまで高額になると、いたずら入札で実際に購入していない可能性もある。

    販売者の評価欄(双方合意のもと、支払いまで完了している出品)もチェックしたところ、「医療用マスク2000枚、28万円」などのケースを確認できた。

    枚数もかなり多いため一概に比較はできないが、かなりの額が取引されているようだ。

    ヤフオク!は、数百枚〜1万枚の大量出品が多く、10万円を超える額で多数入札されている。

    Amazon.co.jpの場合、マーケットプレイスとして出品している個別の業者が値段を釣り上げている。値段は常に変動でしているが、例えば通常時は400円程度の30枚入りのマスクが1万円で出品されている(29日午前11時)。