三重県鈴鹿市の小学校と幼稚園で、12月と来年1月、計2回の給食の提供が中止になった。原因は、野菜の高騰による予算オーバーだ。
BuzzFeed Newsは、鈴鹿市教育委員会に今回の対応に至る経緯を聞いた。
工夫は重ねたが……
12月20日と1月12日の2日間、市内31の小学校と13の幼稚園を対象に、教職員も含め1万3000人分の給食の提供を中止する。
学校や保護者への影響が少ないよう、年内最終日と年明け初日に設定した。
鈴鹿市の給食費は、毎月4100円。8月を除く11カ月分を徴収し、日割りで予算を割り振っている。2016年度は1日あたり約241円と設定した。
今年は夏場に台風などの自然災害が多く、全国的に野菜価格が高騰している。給食によく使うにんじんなども値上がりし、献立に与える影響は大きいという。
同市が制定する地産地消条例に基づいて国産野菜を使用し、国が指定する栄養基準とも両立するには、価格面で予算に見合わない状況だ。
「野菜の量や種類の変更はもちろん、鶏肉のもも肉を胸肉に変更したり、量を調整するなどで工夫は重ねたものの、予算内に収めるには難しいという判断になった」
児童や生徒に弁当の持参を求める、午前中で授業を終えるなど、給食のない2日間の判断は各校に任せる。
他の方策はなかったのか?
ネット上では「他の対応はできなかったのか」という声も上がっている。それらの質問もぶつけた。
Q.条例の縛りがあり、外国産食材が使えないことが大きな要因なのか。
「条例ができたのは2011年。それ以前から子どもたちの安心安全を最優先に考え、給食には極力国産野菜を使用していた。特別この数年で食材の調達が厳しくなったわけではない」
Q.市に補正予算を求めることはできないのか。
「事前に予算として計上しておらず、この段階から間に合わせることは難しいため、考えうる対応策としては議論に上らなかった」
鈴鹿市は、2009年にも食材費の高騰などを理由に1月と3月に1日ずつ給食を中止している。
当時、「現場での大きな混乱や保護者からのクレームはなかった」という。