9月11日に発足した第4次安倍晋三再改造内閣。新大臣たちの中でネットで話題を呼んでいる一人が、科学技術・IT担当大臣の竹本直一氏(78)です。

旧建設省出身で、今回78歳で初入閣。新内閣では、麻生太郎副総理・財務相と並ぶ最高齢となります。
年齢だけですべてを判断することはもちろんできませんが、科学技術とITは特に進化が速く、世界的にも競争が激しい分野です。
日刊スポーツの記事によると、「スマートフォンでSNSを投稿できている」ことが竹本氏就任の背景にあったとされています。
関係者はIT推進などの総合的な対策を行う衆院科学技術・イノベーション推進特別委員会委員の実績を強調。SNSの投稿も、スマートフォンを駆使して自ら行っており、問題ないと断言した。
「スマホでSNSができるレベルでいいの…?」「この人選大丈夫?」
SNSには、早々に不安の声も多く上がっています。
日本国の新しいIT担当大臣様に起用された竹本直一さん(78歳)、公式サイトドメインが外部からIPアドレス引けない状態のまま放置されててスゴイ。 ※ドメインに登録されてるDNSサーバー(GMO系Wadax)への直問い合わせだとIP返すので、おそらく他ネットワークからの問い合わせを返さない状態になってる
公式サイトも見られない
マジの「天才プログラマー」がIT大臣の国
そんな中、にわかに注目を集めてるのが、台湾のデジタル担当政務委員(大臣級の役職)のオードリー・タン(唐鳳)氏(38)。2016年、35歳の若さで抜擢されました。

台湾でITを担当している大臣はオードリー・タン氏(38歳)。天才プログラマーとして知られ、政策の合意形成プラットフォームや省庁横断の官僚ネットワークを自ら構築した。 日本のIT大臣は竹本直一氏(78歳)。「自分でSNS投稿しているから大丈夫」。 レベル感の違いが凄い。
注目は若さだけでなく、その経歴。
プログラミング言語「Perl6」の開発に深く関わり、Appleのコンサルタントとしても働くなど、もともと天才プログラマーとして広く知られる人物です。

Rubyの開発者・まつもとゆきひろさんも「むしろこの人を『天才プログラマー』としなかったら誰を、という感じの人」と評価する逸材です。
@tyonepos_2525 @masurakusuo オードリーは、18歳のときに独学でHaskellでPerl6コンパイラを書いた人なので、周囲の人が「天才プログラマー」と呼びたくなる気持ちもわかりますし、むしろこの人を「天才プログラマー」としなかったら誰を、という感じの人です。
入閣前から、オープンガバメントや政治の透明化に意欲を持ち、Webサイトを運営していました。自身も「政府が求めるものと、自分の研究テーマに重なるところがあった」と語っています。まさにIT担当大臣の適材適所ですね。
3つの“史上初”
タン氏が独学でプログラミングを始めたのは12歳の頃。IQ180とも推測される天才ですが、学校に馴染めず中学卒業前にドイツへ留学。学歴でいうと「中卒」の彼女を閣僚に抜擢した点でも、当時台湾国内で大きな驚きを呼びました。
そしてもうひとつ、性別適合手術を受けたトランスジェンダーでもあります。
史上最年少、史上初の中卒、そして史上初のトランスジェンダー――3つの“史上初”を持つ、まさに異色の経歴の閣僚です。
2019年1月には、米国の外交政策研究季刊誌『Foreign Policy』で「世界の頭脳100」に選出されました。
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日経新聞による動画インタビュー
ギークやIT実業家にIT担当の大臣をまかせている国は他にも。
@masurakusuo 韓国のIT司令官は「韓国情報化振興院」のムン・ヨンシク(59歳)。1994年(当時34歳)に「Nowcom(現AfreecaTV)」を設立、韓国のITブームを牽引。政治家に転身してからは「電子政治参加」のプラットホーム作りを成功させた人物。 やっぱり、どの分野でも担当は実績のある人になって貰わないと下が大変。
シンガポールにもギーク大臣がいる(リンク先は5年前の記事)。このビビアン・バラクリシュナン氏はいま外務大臣。シンガポールでの米朝会談でも活躍してた。 https://t.co/7SdWSFFat5 https://t.co/fQB2k5503T
もちろん、彼女のような才能は特別。Twitterでは、こんな声もありました。「オードリー・タン氏はかなり特別で、探して見つかるレベルの人材ではないので、比べられる竹本大臣がお気の毒」
@masurakusuo @junpeiakashi オードリー・タン氏はかなり特別で、探して見つかるレベルの人材ではないので、比べられる竹本大臣がお気の毒という感じではあります。
「ただ、タン氏レベルの人材が日本にいたとしても、中卒でトランスジェンダーの天才プログラマを大臣として起用する度量が本邦にあるかというと疑問ではあります」
ただ、タン氏レベルの人材が日本にいたとしても、中卒でトランスジェンダーの天才プログラマを大臣として起用する度量が本邦にあるかというと疑問ではあります。