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パラリンピック、せっかくなら何か観たい気もするけどわからなすぎる…。初心者でも楽しめるオススメ競技を聞いてきた

殺人球技? なんですか、その物騒な名前は…!?

8月22日にチケット抽選申し込みが始まった東京パラリンピック。

せっかく近所(※世界規模で見た時に)でやるなら何か観たいな〜という気もするけど、オリンピックと違って知っていることが少なすぎて、選ぼうにも選べない……😂

そもそもどんな競技があるんだっけ? 初心者でも楽しめるものってありますか?

日本財団パラリンピックサポートセンター(パラサポ)の広報・遠竹智寿子さんに、超超ビギナーとしていろいろ聞いてきました。

“殺人球技”? なんですか、その物騒な名前は…

――パラリンピック、いざ申し込もうと思っても、種目もたくさんあってわからなくて怯んでしまいました。国枝慎吾選手の車いすテニスくらいしか……!

大丈夫ですよ、いくつかご紹介しますね。パラリンピックならではの面白さを味わえて、かつ予備知識があまりなくても楽しめるとすると、まずは車いすバスケットボールでしょうか。

基本的なルールが一般のバスケットボールと大きく変わらないのでオススメしやすいですね。

――確かに、ルールがわかるのはとっかかりやすい! あと漫画「リアル」を読んだことがあるからちょっと知っています(笑)

いいですね! そういう「ちょっと知ってる」ってすごく大事ですよね。

迫力とスピード感、そして巧みな車いす操作やパスワークといった車いすバスケットボールならではのテクニックと魅力満載です。

車いすに乗ったまま、一般と同じ3メートルのリングにシュートするんですから、それだけでもえっ? となります。初めて観ると、すごい速さで駆け抜けていく疾走感に驚くと思いますよ。

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健常者のバスケの試合では、シュートの時にジャンプしますよね。車椅子ではもちろんジャンプできない……ので、片輪を上げてこんな風に高さを出すんです。「ティルティング」というワザです。

――すごい! こんなことできるんだ!

すごいですよねぇ! 実際観ると「おー!」と声が出ますよ。

試合中、激しい衝突で車いすごと倒れることも少なくないのですが、さっと自力で起き上がる姿もカッコいいです。初めて観たときは魔法かと思ったくらいです(笑)。

スポーツとして純粋に楽しみつつ、普段車いすに馴染みのない方にとっては、「こんなにいろんなことができるんだ」と知るチャンスにもなると思います。ぜひ生で観てほしい競技のひとつです!

車いすラグビーもかなりのド迫力でオススメです!

――ラグビーもあるんですね!知らなかったです。

“マーダーボール(殺人球技)”とも呼ばれる車いすラグビーの見どころは、バスケ以上の激しいタックル。「車いす、壊れない?」とハラハラしちゃうくらい、全力でぶつかり合います。

激しさのあまりタイヤがパンクすることもしばしば。ベンチにはメカニックスタッフがいるくらい……。

――もはやレーシングスポーツじゃないですか! 写真を見ると、女子の選手もいるんですね。男女別にチームがあるんですか?

いえ、実はこの競技、男女混合なんです。女子がいるとチーム編成が有利になるルールがあり、多くの国でメンバーに入っています。

日本では、2017年に初めて女子の倉橋香衣選手が代表入りしました。

――えええっ、この激しい戦いの中に女子が……? 興味出てきました。

以前、倉橋選手に「自分より一回りも二回りも大きい屈強な選手も多いですが、怖くないですか?」と聞いたら、「そういう人と全力でぶつかり合うのが楽しいんです!」とニコニコして言っていました(笑)。

日本チームは2016年のリオパラリンピックでは銅メダル、昨年の世界選手権では金メダルを獲得しており、メダル争いにも注目です。

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やっぱり気になる義足、義手の陸上競技

――どちらも生で観たら面白そう! あとは、初心者的には義足で走る陸上競技のアスリートはカッコいいなあ……と思います。

カッコいいですよね! 例えば、2008年の北京パラリンピックで銀メダルを獲得して以降、第一線で活躍し続けている走り幅跳び・短距離の山本篤選手

2018年には、スノーボードでもパラリンピックに出場しました。義肢装具士の国家資格を持ち、自分の義足を自分でメンテナンスしている学究肌でもあります。

重本沙絵選手(2016年時は辻沙絵)も注目です。

リオパラリンピックでは、本格的に陸上を初めて2年経たずして、銅メダルに輝きました。東京でも活躍が期待されます。

おしゃべり、歓声禁止の競技があるらしい

――他にパラリンピックならではの競技というと?

その競技ならではのちょっと面白い観戦体験ができるのは「ゴールボール」ですね。

鈴の入ったバスケットボール大のボールを投げあって得点を競う競技で、視覚障がいの程度に関わらず、全員目隠しをして全盲状態でプレイします。

ボールの中の鈴の音、相手選手の足音などわずかな音を頼りに神経を研ぎ澄ましてゴールを守るので、競技中は絶対静寂!

客席に向けて「Quiet Please!(お静かに)」のアナウンスもあります。

――声を出さずに観戦、新鮮すぎる! 緊張感すごそう。

もちろん得点が入ったら爆発して大丈夫です(笑)。

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文字だとわかりにくいかも?動画を見るとわかります

あとは、ボッチャ! 一度ルールを知るとハマりますよ!

――ボッチャ、聞いたことはあるけど、ルールはぼんやりとしか知らないや。カーリングみたいな感じ……? ですよね?

そうです、ジャックボールと言われる白い目標球に、自チームの球をより近づけた方が得点を得られる競技です。

結構、頭脳戦ですよ。1回やってみると面白さがわかるので、ぜひチャンスがあれば体験してほしいです!

まだまだいろいろお話聞いたのですが、今回はここまで。

個人的には他にも、水泳5人制サッカー(ブラインドサッカー)車いすマラソンシッティングバレーボールなどが面白そう! と思いました。

チケット申し込み時はここに注意

さて、最後にお伝えしておきたいオリンピックと異なるパラリンピックのチケット申し込みの落とし穴は、クラス分けがあること。

公平性を保つため、障がいの種類や程度別に細かく競技グループが分けられているのですが……これが正直言ってめちゃくちゃわかりにくい!!!

チケット購入ページには何の説明もなく突然「T11」とか「F64」とか書いてあってなんだそれはとなりました😂

例えば、パラリンピックにおける陸上競技のクラス分けはこんな感じ。お、多い〜〜〜😰😰

「視覚障がい者の水泳が観たい」「身体障がい者の短距離走が観たい」などの希望がある方や、お目当ての選手がいる方は、事前に競技団体のページを見たり、名前でググったりしてクラス番号を把握しておくのがオススメです(記事中の2人の陸上選手には書いておきました)。

競技日程をクラス分けまで含めて一覧するには、私が調べた範囲だとこちらのチケッティングガイド(PDF)が一番見やすかったですので、ご参考まで!

東京パラリンピックのチケット申し込みは9月9日午前11時59分までです🌸