「さぁ、行っといで。」
福島県南相馬市が、新たな門出に立つ18歳を応援するポスターを公開し、多くの世代から共感を呼んでいます。
進学や就職でふるさとを離れる人も多い18歳という年齢。「さぁ、行っといで。」というあたたかい言葉とともに、地域の人からのメッセージやエールが掲載されています。
自分の人生なんだ。好きなようにやりな。
わんぱくだった子らがこんなにいっちょ前になんだなって。驚くけど、それが本当に嬉しいんだよ。
自分の「好き」に向かって進め。
バカバカしいことも無駄じゃない。常識の外にも道はある。
思いがけない未来との出会いを楽しむこと。
想像する未来に出会わないこともある。でも、想像の外側には無限の出会いがある。失敗を恐れず、小さなことからまずはやってみて。
大変なことを乗り越えて大きくなった、だからこの先も大丈夫。
2011年に年長さんだったみんな。困難を、みんなは乗り越えてきた。これから何かあっても、きっと乗り越えられるからね。
大人って楽しいよ。
いろんな人と出会うことも、道に迷うことも、経験することを楽しんで。図書館にまた戻って来てくれたら嬉しいです。
思いは届く、君はなんにでもなれる。
突き進むのをやめたら叶わない。現実に押しつぶされそうな時は、いつでもラーメン食べにおいで。
全8種類のポスターは、いわき市出身の写真家・白井亮さんが撮影を、南相馬市に拠点を置くデザイン事務所maruttがクリエイティブ全般を担当しています。
SNSでは、「泣きました」「娘を送り出した日を思い出す」「見守ってくれる地元(故郷)があることは頑張りのエネルギーにありますよね」「いってらっしゃいの裏にはお帰りなさいがあるわけで… 戻れる場所、故郷は自分ら大人で守っておくよ…という矜持も感じられて何かいい」など、たくさんの反響が寄せられています。
「地域の大切な子どもたちだからこそ、外の世界で大きくなって戻ってきてほしい」
新たな門出に、市から祝い金を
本ポスターは、新たにスタートした「巣立ち応援18歳祝い金支給事業」を告知する目的で作られました。
2022年度に18歳になる市民を対象に祝い金5万円を支給するという、同市独自(東北初)の制度です。
進学や就職など新たな門出に立つ18歳にエールを送るとともに、「地域社会全体でこども・ 子育てを応援する」という理念を伝えるものだとしています。
今、巣立つ時。大人になる君に最大限のエールを込めて「さぁ、行っといで。」
「さぁ、行っといで。」という印象的なキャッチコピーは「市内に残る人、市外に出る人、全ての18歳に向けての言葉」だそう。
成人の門出を迎え、新しい環境に踏み出す彼らへ「地域社会全体でみなさんを応援しているよ」という想いを込めました。
玄関先で背中をポンと押し、送り出す実家の雰囲気を「さぁ、行っといで。」というキャッチコピーで表現しました。
「祝い金を送って『はい、終わり。』にしたくない」
本事業の主体であり、ポスターを企画した南相馬市こども未来部こども家庭課は、このプロジェクトへの思いを伝えるnoteも開設しています。
祝い金を送って「はい、終わり。」にしたくない。
ポスターもずっとは貼っておけないし、市外に出てしまえば普段目にすることはなくなってしまうけど、みなさんを応援する気持ちはずっと変わらない。
そんな想いからこのnoteを作りました。
18歳のみなさんが普段話すのは、家族、友達、先生くらいかもしれません。
でも、いつもは話したことのないまちの人も18歳のみんなの成長を見守っている、未来を応援している。
そんな「がんばってね」「応援してるよ」という気持ちを伝えたくて、まちのみなさんに協力いただき応援メッセージポスターを作成しました。