ケータイ小説ブームを生んだ「魔法のiらんど」3月末でホムペ機能終了 SNSには悲しみの声

    「黒歴史ダウンロードしなきゃ」「大好きな時代だったなあ」…SNSには悲しみの声があふれています。

    90年代から続く老舗サイト「魔法のiらんど」のホームページ作成機能が終了すると発表されました。小説投稿に特化したサイトに生まれ変わり、ブログや掲示板も含め、現在あるホームページは閲覧できなくなります。

    【ホームページサービスの終了について】 2020年3月31日をもって、全機能、閲覧を終了いたします。 また、2020年3月15日以降、ホームページの作成及び更新はできなくなります。ご了承ください。なお、ホームページの閉鎖につきましては、手続き等は必要ありません。 https://t.co/9mZRdAK0Nv

    2000年代、ガラケー文化を支えた同サイト。多くの女子中高生、バンドやお笑い芸人などが、簡単にホームページを作れるサイトとして活用、交流していました。

    ついに来年の春魔法のiらんどが実質終了する 機能が小説だけになるらしい 長い間お世話になったなー 日記も本になったし 俺も前に進んでmixiで日記書くか https://t.co/aPbeT7HJQe

    日記や掲示板を設置し、2006年から愛用してきたお笑いコンビ「マヂカルラブリー」の野田クリスタルさん。「魔法のiらんど」への愛を語るインタビュー

    SNSには、「黒歴史ダウンロードしなきゃ」「時代を感じる」「見れなくなるのさみしい」など多くの悲しみの声があふれています。

    「ホームページ 2020年3月31日をもって、全機能、閲覧を終了いたします」えっうそ!黒歴史ダウンロードしなきゃ / https://t.co/r2mD2sYksi

    俺達の青春…魔法のiらんどのホームページ機能が終了だなんて…😢 当時のV系バンドマンは魔法のiらんどと前略プロフィールが必須コンテンツでした😭 さっきチラッと個人ホムペ見たら最終更新が12年前🙄 時代を感じるねぇ😢✨

    昔魔法のiらんどでHPを作ってたんだけど、そこがHP機能を3/31で終了するから掲示板とかも見れなくなるってメールが来ました。15年くらい前ライブいっぱい行ってた頃の思い出がたくさん詰まった大切な宝箱のようなHP。見れなくなるの寂しくて…。昨晩ずっと見返してた。大好きな時代だったなぁ。

    ずっと消したかった魔法のiらんどが消滅すると知ってホッとしたと同時に青春の思い出が完全に消え去った気もする

    ケータイ小説の中心地

    「魔法のiらんど」の始まりは1999年。iモードとPC向けの無料のホームページ作成サービスとして生まれました。

    いわゆる「ケータイ小説」の投稿サイトとして名が知られていったのは、2000年代半ばのこと。

    映画化、ドラマ化もされた累計200万部超の大ベストセラー『恋空』(2006年書籍化)をはじめ、『赤い糸』『携帯彼氏』などの作品を生み出しました。

    小説投稿サイトに特化

    「ケータイ小説」が大きな社会現象となってから10年以上。その文化は形を変え、今も脈々と続いています。

    現在の「魔法のiらんど」は、女子向け小説投稿サイトに。月間250万人が利用しています。

    ユーザーニーズを踏まえ、3月末を持って、小説投稿に特化したサイトにリニューアル。ホームページやブログ、掲示板など多くの機能が終了することになりました。

    同じタイミングで、フィーチャーフォン(ガラケー)からの閲覧もできなくなります。

    「これ以上、十全な内容でお客様にお届けすることが難しい」

    BuzzFeed Newsは、現在同サイトを運営するKADOKAWAに、今回のリニューアルの背景を聞きました。

    ――小説投稿に特化したサービスに生まれ変わる、とのことですが、相対的にホームページやブログの利用が減っていたのでしょうか。

    1999年、iモードが市場へ投入されると同時に、楽しく、無料でより多くの人により多くの情報を発信してもらおうということで、無料ホームページ作成サイトとして1999年12月14日に魔法のiらんどサービスはスタートいたしました。

    これまで大変多くのお客様にご利用いただき、おかげさまで昨年の12月には20周年を迎えることができました。

    この20年間の時代の移り変わりと共に、 魔法のiらんどに対するお客様のニーズも変化し、現在の魔法のiらんどでは、小説投稿サービスを中心としたお客様同士のコミュニケーションが大変活発に行われております。 これまで投稿された作品数は累計で300万作品を超えました。

    今回の大リニューアル後には、これまで以上に小説投稿サービスを簡単に快適に楽しんでいただくためのコミュニケーション機能や投稿機能が新たに追加される予定です。

    これら小説投稿サービスの拡大を図るためのシステム開発を検討するにあたり、 ホームページ作成サービスなど、一部サービスにつきましては、今後の継続、維持するためのテクノロジーに関する複数の課題などを総合的に判断した結果、これ以上、十全な内容でお客様にお届けすることが難しいと判断いたしました。

    ――ガラケー時代の思い出が詰まったユーザーも多いと思います。何かメッセージはありますか?

    これまで全サービスの継続に向け努力してまいりましたが、 さらなるサービスの発展とより快適なサービスを提供させていただく上で、 一部サービスを終了させていただくことになりました。 お客様には大変ご迷惑をお掛けいたします。

    今後も小説投稿サービスを中心に、お客様が楽しく、安心してコミュニケーションできる環境を引き続き提供していきたいと考えております。