「私の友人が消息を絶ってしまいました。その情報を提供していただきたいのです」
「近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました」――。
Web小説サイト「カクヨム」に投稿された「近畿地方のある場所について」がTwitterで大きな話題を呼んでいます。
「怖すぎて泣きそう…なのに止まらない」「ホラー好きは読んで」「絶対昼に読め!!!」など熱烈な反響を呼んでいます。
オカルト雑誌の記事やネットの書き込みを集めたら不気味なつながりが…
「近畿地方のある場所について」という不思議なタイトルが示すように、この小説(と思われるもの)は、近畿地方の“ある場所”に関する記事やネットの書き込みで構成されています。
その一帯は、地図に記されていない神社、ダムや廃墟、自殺の名所とされるマンションなどがあり、心霊スポットとしても名高いところだそう。
集められた文章は雑多です。オカルト雑誌に掲載された真実か創作かわからない怪談話、少女の失踪事件に関する週刊誌報道、ネットの匿名掲示板に投稿された怖い話、「あの場所を訪れてからおかしな男に憑かれている」という読者からの手紙……。
某週刊誌 1989年3月14日号掲載「実録!奈良県行方不明少女に新事実か?」
ネット掲示版『洒落にならない怖い話』まとめブログより
無料オンライン医師相談サービス『おしえて!ドクター』より
それぞれの文体のリアリティに「あれ、これ本当にあった記事や書き込み?」「フィクションじゃなくてもしかして現実…?」と感じてしまうほど。
一見何の関係もなさそうなエピソードばかりですが、読み進めていくうちに、不気味なつながりが見えてきます。
「怖い、でもおもしろい」Twitterで一気に拡散
カクヨムでは1月28日に連載がスタートしており、3月27日現在の今は最新22話まで更新されています。
連載開始から約2ヶ月が経つ3月24日にあるTwitterユーザーがシェアしたところ一気に拡散。「怖い、でもおもしろい」と口コミで大きく広がりました。
山深い集落を舞台にしたジャパニーズ・ホラー感と、B級オカルト雑誌の記事特有の怖さと軽薄さのバランス。
そして匿名掲示板の「安価」(指定した書き込み番号の指示に従って行動する遊び)や「凸」(話題の場所を突撃レポートすること。この場合は心霊スポット)などのネットカルチャーまでもを下敷きに、さまざまな文体を駆使して構成されているのが読みどころです。……怖い!
作者の背筋さんのTwitter(@sesuji0517)には、「ある場所」の秘密に迫る写真や画像も投稿されています。
連載ページのトップには「情報をお持ちの方はご連絡ください」の文字が。この怪異に心当たりのある方はぜひ作者にご連絡を……。