特別ファンでなくても、日々どこかで耳にするジャニーズ楽曲。SMAPや嵐の大ヒット曲、カラオケで歌えるものが誰しも一曲はあるはずです。
「ジャニーズ? よくあるアイドルソングでしょ?」
そう思って食わず嫌いしているあなたにこそ聞いてほしい、2016年のジャニーズ神曲を厳選しました。
選者は、自身もSMAPファンの批評家・矢野利裕さん。戦後日本においてジャニーズとは何だったのか? を分析する新書「ジャニーズと日本」(講談社)を発売したばかりです。
「ジャニーズは基本的に、アメリカを中心とした世界の音楽シーンの動向を見て楽曲を制作しています。なので、音作りの面で日本のポップスではまだ見られない挑戦をしているものも多く見られます。音楽通に評価が高い曲もたくさんありますよ」

(※ 以下、CDジャケットをご紹介できないのですがお許し下さい)
1.NEWS「Touch」
基本的には明るいダンスポップなのだが、EDMのマナーを意識してビートとベースが強めになっているのが特徴的。
にもかかわらず、この重いボトムにNEWSのさわやかさが軽々と勝っている感じがすごくいい。さわやかで少し切ないダンスミュージックである。
2.嵐「復活LOVE」
田原俊彦~少年隊を中心とする王道のジャニーズディスコ! 山下達郎・竹内まりやという制作陣を迎えた間違いない1曲。
プリンス「KISS」を思わせるカッティングギターときめ細やかなコーラスが最高。少年隊「FUNKY FLUSHIN’」の21世紀版である。
3.嵐(二宮和也)「また今日と同じ明日が来る」
アルバム「Are You Happy?」収録の二宮和也さんのソロ曲。
2016年は、カナダ出身のラッパー、ドレイクが「Views」という作品で先鋭的なR&Bを披露した年でもあるが、この曲は、そんなドレイクの試みと共振している。
変則的なビートにレイ・ハラカミ的なエレクトロニカ要素が加わった素晴らしい曲。今年のジャニーズ楽曲でいちばん驚いた。
4.KinKi Kids「陽炎〜Kagiroi」
「N album」収録曲。この1枚から1曲選ぶなら「naked mind」でいい気もするけど、堂本剛が作詞作曲に関わっている印象的なこちらを。
「また今日と同じ明日が来る」もそうだが、ジャニーズ内でちらほらエレクトロニカ歌謡とでも言うべき楽曲が生まれ始めていて、この曲もそのひとつである。
甘い歌声とメロディ以上に、とても細かいプログラミングの展開が楽曲全体を支えている。
5.Sexy Zone「カラフルEyes」
「オレが待っていたセクゾンが帰ってきた!」っていう感じ。いや、もちろん「シーサイド・ラブ」みたいな王道ディスコも悪くないのだけど、Sexy Zoneはやはりこっちでしょう。すなわち、ディスコ以前のモータウン系のフィーリング。
この曲で確信したけど、Sexy Zoneってジャクソン5~フィンガー5の流れを汲む存在なのだと思います。「Lady ダイヤモンド」~「カラフル Eyes」のラインで、これからもぜひお願いします。
BuzzFeed Newsでは、矢野さんのインタビュー記事も公開中。
