「日本は、義理チョコをやめよう」。そんなドキッとする一文の新聞広告が話題を呼んでいます。
ネットでは「負担だからやめたい」「義理チョコ制度は悪いことばかりじゃない」など賛否両論。BuzzFeed Newsは、ゴディバ ジャパンに意図を聞きました。
そもそも、どんな広告?
バレンタインデーは嫌いだ、という女性がいます。
その日が休日だと、内心ホッとするという女性がいます。
なぜなら、義理チョコを誰にあげるかを考えたり、準備をしたりするのがあまりにもタイヘンだから、というのです。
気を使う。お金も使う。でも自分からはやめづらい。
それが毎年もどかしい、というのです。
それはこの国の女性たちをずっと見てきた私たちゴディバも、肌で感じてきたこと。
もちろん本命はあっていいけど、義理チョコはなくてもいい。
いや、この時代、ないほうがいい。そう思うに至ったのです。
そもそもバレンタインは、純粋に気持ちを伝える日。
社内の人間関係を調整する日ではない。
だから男性のみなさんから、とりわけそれぞれの会社のトップから、彼女たちにまずひと言、言ってあげてください。「義理チョコ、ムリしないで」と。
気持ちを伝える歓びを、もっと多くの人に楽しんでほしいから。
そしてバレンタインデーを、もっと好きになってほしいから。
愛してる。好きです。本当にありがとう。
そんな儀礼ではない、心からの感情だけを、これからも大切にしたい私たちです。
バレンタインデーを約2週間後に控えた2月1日、日本経済新聞を飾った一面広告です。
バレンタインのターゲットになりがちな女性ではなく、主に企業のトップの男性に向けた、ゴディバ ジャパン代表からのメッセージになっています。
このコピーはWebサイトや電車広告では使用しておらず、同紙の読者に合わせて掲出したものだそうです。
ネットでは「これほんとそう思う」「本命チョコ向けのメーカーだから言える」「義理チョコ制度は悪いことだけじゃない」など賛否両論が集まっています。
「一目で義理とわかるチョコ」バージョンのブラックサンダーを発売する有楽製菓も反応。「みんなちがって、みんないい」「引き続き義理チョコ文化を応援いたします」
狙いは?
「まず、私たちが大切にしたいのは、バレンタインデーの主役は『もらうひと』ではなく、『あげるひと』ではないか、ということです。『あげるひと』にとって『楽しい』バレンタインデーかどうか、 それがもっとも重要なことではないでしょうか」
ゴディバ ジャパン広報部は、BuzzFeed Newsの取材に対し、広告の意図をこんな風に話します。
合わせて、決して義理チョコの存在を否定するわけではないとも説明します。
「義理チョコをご挨拶として知り合いの方に配るのが自分にとっても楽しい、と考える方にはぜひ続けていただきたいですし、そのような方のための商品開発は続けていきます。でも、もし義理チョコが少しでも苦痛になっている人がいるのであれば、 それはやめてしまったほうがいいのではないかと思います」
義理チョコの是非を問いたいわけではなく「バレンタインデーをもっと好きになってほしい」。
「お客様が楽しくないバレンタインデーは、 私たちチョコレート会社にとっても楽しくないバレンタインデーです。そういう楽しくないバレンタインデーから無理に利益をあげたいと、私たちは考えていません。私たちだけでなく、すべてのチョコレート会社、それを売るお店も、 気持ちは一緒ではないでしょうか」
「海外では、女性同士でバレンタインデーを祝うギャレンタインデーなど、 新しいバレンタインデーの楽しみ方が広がりはじめています。今回のキャンペーンで、こういう新しい楽しみ方もご紹介しながら、 みなさんに『バレンタインデーをもっと好きになってほしい』と考えています」