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藤井四段はどう「強い」のか。羽生善治三冠が語る、若き天才の凄さ

自らも中学生でプロデビューした羽生善治三冠。藤井四段をどう評する?

6月7日、藤井四段がデビュー以来の負けなしの連勝記録を更新し、歴代3位となる23連勝を成し遂げた夜。羽生三冠が、TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」に登場した。

「非常にシャープ」「弱点がないのが特長」

将棋界のみならず注目を集めている藤井四段の対局は「すべてリアルタイムではないが、携帯中継やネット中継で時間が空いている時にチェックしている」そう。

棋風は「非常にシャープ、切れ味が鋭い」。「まだ若いですが、小学生の頃から詰将棋(ある条件のもと、王将を詰める手順を見つけるパズル)が得意なことでかなり有名だった。順調に成長して活躍している」と評した。

「中学生で棋士になった人はこれまで5人いますが、14〜15歳の若さではどこか明らかな欠点がある上で、それを補う強さがある、という印象。藤井四段の場合は『ここが明らかに弱い』と言える弱点がないのが大きな特長です」

「小さい頃から詰将棋でトレーニングしてきたことや、将棋ソフトを活用して研究してきた側面もあるのではないでしょうか」

自分の中学時代と比べると?

近年、急速に強くなる将棋ソフト。研究にコンピュータを用いるプロ棋士も増えている。

羽生三冠は自身の中学時代と現代を比較してこう話す。

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「当時はネットもないですし、私は郊外に住んでいて将棋会館も遠かったので、ただただノートに書くとか、盤に並べるとか、一人でできるアナログな勉強をしていました(笑)」

将棋ソフトの進化で研究法は変わったのだろうか?

「これまで、どこがよかった、悪かったというのは、人に教わったり自分なりに深く考えなくてはいけなかった。ソフトがこれだけ強くなると、100%ではないけれどある程度良し悪しを判断してくれます」

「人間的な思考とコンピュータ的な思考と比較して自分なりにこっちがよかった、こちらはよくなかった、と比較検討しやすくなったのが、大きな変化です」

早くプロ入りしてよかったこと

14歳2カ月で史上最年少棋士となった藤井四段。15歳でプロデビューした羽生三冠は、若くしてプロになったメリットをこう振り返る。

「早く棋士になってよかったのは、4時間、5時間と持ち時間の長い将棋に挑めたこと。無駄に思えるような局面で、時には30分や1時間、自分なりに考える機会を何度も持てたのが、上達していく上ではとても重要だったと思っています」

「短い時間でどんどんやるとたくさん局数はできるんですけど、ひとつの局面を深く理解することがどうしてもしにくくなってしまうんですよね。将棋って莫大な可能性があって、ひとつの局面で80通り程度の可能性があると言われているんです。その中から正しい手を選ぶべく、考えるプロセスを構築していく。時間をかけて自分のスタイルを作り上げていくものなんです」

藤井四段は、10日(土)の「叡王戦」開幕局で梶浦宏孝四段と対局。ニコニコ生放送でライブ中継します。


バズフィード・ジャパン ニュース記者

Haruna Yamazakiに連絡する メールアドレス:haruna.yamazaki@buzzfeed.com.

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