「ライブ中に耳栓とか、失礼じゃない?」
ライブ会場で「耳栓」をつけていたら周りの人に陰口を言われた……そう吐露するファンと、アーティストのやりとりが話題を呼んでいます。
温詞さんによるソロユニット「センチミリメンタル」のライブに赴いたファンが、公演中にライブ用の耳栓をつけていたところ、終演後に他のファンから「耳栓とか失礼じゃない?」と陰口を言われたことをTwitterに吐露。
「ライブ用の耳栓があることを知ってほしい」とSNSで伝えていました。
この投稿が本人の目にとまり、
ライブハウスは音量が大きいので、人によっては耳に負担がかかり過ぎる場合があります。ので、そういう方は耳栓をしたりして調節することがあります。
なのでその行動はアーティストに対して全く失礼ではありません。 皆様、ご理解下さい。お願いします。
という呼びかけにつながりました。
そもそも「ライブ用耳栓」って…? と疑問に感じる、聞き慣れない方も多いかもしれません。
その名の通り、ライブなどの音楽シーンで使うことを想定された耳栓で、聴覚を保護するアイテムとして少しずつ普及しています。
「ライブ用耳栓」って?
「イヤープロテクター」「イヤープラグ」とも呼ばれるライブ用の耳栓とは、長時間・大音量による耳の負担を軽減する商品です。
大音量の音楽ライブに参加したり、イヤホンやヘッドホンを使って長時間音楽を聞き続けたりすると、知らないあいだに耳にダメージはたまっていることは少なくありません。最悪の場合、難聴や聴覚障害を引き起こすこともあります。
ライブ用の耳栓は通常の耳栓のように外部の音をすべてシャットアウトするのではなく、耳に負担のかかりやすい高音域のみをカットする仕組み。音楽はもちろん、周囲との会話もいつも通り楽しめます。
発端となったファンの投稿には、応援や励ましの声とともに「自分もつけています」「使ってみたい」などのいうリプライが多数寄せられています。
私もしてます。耳は消耗品なのでいつまでも大好きなアーティストの音楽を楽しむために。 ライブ用耳栓はちゃんと音楽聞けますよー。逆にMCなんかは聞き取りやすくなってるかも。
音の良さは消さずに音量だけを下げてくれる優れものだという事がもっと認知されるといいですね。
音楽に携わってる者はわりと当たり前に使ってる物なので、自信を持って装着してください!
初めて知りました。 最近大きめの音が持病により苦手になってきて、ライブも聞きづらいな困ったなと思っていたので、自分も使ってみようと思います。
アーティストも続々反応
このツイートと多くの反響を受け、2月6日夜には「ライブ用耳栓」がTwitterでトレンド入り。
公式グッズとしてライブ用の耳栓を販売しているアーティストや、自身も愛用しているという音楽関係者から、続々と賛同の声、魅力を伝える声があがっています。
打首獄門同好会「聴覚は一生モノです。自身の判断で、大事な耳を守る選択をしてもらってOKです。状況に応じて使ってください」
凛として時雨・ピエール中野さん「今まではライブで耳栓をしているとネガティブに思われることもありましたが、これからは『長く音楽を楽しむために聴覚を保護している』とポジティブな認識になっていくでしょう」
音楽クリエイター・ヒャダインさんはノイズキャンセリングイヤホンを活用していることを明かし、「推しの声を堪能したい人、おすすめだよ」
声優の工藤晴香さん「人によって音に対する許容範囲は違います。"自分が大丈夫だから問題ない"はダメ絶対」
これからのライブの新定番になっていくかもしれない「ライブ用耳栓」。デザイン性が高いものもあり、選択の幅は広がっています。ヘッドホン型のイヤーマフもあり、子ども向けにはこちらがおすすめだそう。
長く音楽を楽しみ続けるために……興味を持った方はぜひ試してみてくださいね!