世界の料理をおうちで作ろう! そんなコンセプトのレシピ本『全196ヵ国おうちで作れる世界のレシピ』(ライツ社)が、全文公開されました。
タイトルの通り、スーパーで買える食材とスパイスで簡単に作れる世界中の家庭料理が紹介されています。パラパラめくるだけでテンション上がります…!
著者の本山尚義さんは、元フレンチシェフ。27歳でインドを旅したことで世界の料理に目覚め、世界各国をめぐりながら現地の台所で料理を教わる「旅するシェフ」に。
現在は、世界の味を家庭で楽しめるレトルト食品を販売する「世界のごちそう博物館」を主宰しています。
この本では、異国の地で学んだ料理や日本で暮らす外国人のみなさんに教わったレシピを国別に紹介しています。
SNSでも大反響✨「毎日つくったら半年で世界一周できる🌏」
「トルコの『煮込みハンバーグ』、シリアの『インゲンのトマト煮込み』、イエメンの『鶏肉のレモン煮込み』、カタールの『海老の炊き込みごはん』…どれも美味しそう」
著者の本山さんに特にオススメの5品を教えてもらいました🍳
アミチュ(アルメニア)
絶対においしいのがアルメニア料理の「アミチュ」。
レーズンが入ったバターライスを鶏肉に巻いて焼き上げるのですが、外はカリ、中はジューシーで、鶏肉の旨みをごはんが全部吸っていて、本当に美味しい! 日本人が大好きな味です。
材料(2人分)
ごはん:1合分
バター:20グラム
鶏もも肉:2枚
レーズン:20グラム
塩こしょう:少々
- ごはんにバターを混ぜ、冷ます。
- 鶏肉を包丁で開いて5ミリの薄さにのばす。
- 2に1をのせて、塩こしょうを振り、レーズンをのせる。鶏肉をくるくると巻き、タコ糸でしばる。
- 230度のオーブンで20分、こんがりと焼き色がつくまで焼く。
モレポブラーノ(メキシコ)
みんなで作って味見してみると盛り上がるのがこちら、メキシコの「モレポブラーノ」。
ビターチョコをソースにして鶏肉を煮込みます。どんな味に仕上がるかドキドキです。
材料(2人分)
鶏もも肉:1枚(一口大)
塩こしょう:少々
オリーブオイル:大さじ1
(A)にんにく(みじんぎり):ひとかけ
(A)玉ねぎ:1個(薄切り)
(B)カットトマト:1/2缶
(B)カイエンペッパー:小さじ1/2
(B)クミン:小さじ1
ビターチョコ(カカオ%が高いもの):50グラム
- 鶏肉に塩こしょうを振る。フライパンに油を熱し、中火で鶏肉の表裏に焼き色をつけ、一度取り出す。
- 同じフライパンにAを入れ、弱火で茶色になるまで炒める。
- 1とBを加え、ひと煮立ちさせる。アクを取り、弱火で20分煮る。ビターチョコを加え、溶かしからめる。
マクルーバ(イラク)
お子さんがいるご家族にぴったりなのが「マクルーバ」。
牛肉とナスを使ったシンプルな炊き込みごはんなのですが、この料理のポイントは炊飯器に具材を入れる際、先に牛肉とナスを入れ、そのあとに米を入れるのです。ふつうの炊き込みごはんとは逆ですね。
炊き上がったら釜ごと取り出し、せーので「マクルーバ!」と掛け声をしながら、お皿にひっくり返して盛り付ける。すると、ごはんの上に牛肉とナスがのったケーキのような見た目になります。
「マクルーバ」とはイラクの言葉で「ひっくり返す」という意味で、実際にイラクの家庭でもそのようにして楽しまれている料理です。
材料(2人分)
なす:3本(皮をむきサイコロ大)
オリーブオイル:大さじ2
牛もも肉:300グラム(サイコロ大)
米:2合
水:380cc
(A)塩:小さじ2
(A)シナモン:小さじ1/2
スライスアーモンド:大さじ3
- なすに軽く塩をふり(分量外)、15分置く。
- フライパンに油を熱し、牛肉を入れ、塩を軽く振り(分量外)、中火で火が通るまで炒める。
- 1から出てきた水分をキッチンペーパーでふきとり、180度の油で7分ほど揚げる。
- 炊飯器に3と2を重ねて入れ、その上に米を加える。Aを混ぜた水を静かに加え、炊く。
- 焼き色をつけたスライスアーモンドをちらす。
ガンボ(アメリカ)
料理から世界の歴史を知る、その象徴的なレシピがアメリカの「ガンボ」。
鶏肉とオクラのトマト煮込みなんですが、なんでアメリカにオクラ?という疑問が湧きます。
その理由は、昔、大航海時代にアフリカからアメリカ大陸に連れてこられた黒人奴隷がオクラの種を持ってきていたから。そこからアメリカ南部には、この煮込み料理が定着したんです。
シチューにもカレーにも飽きたらお試しあれ!
材料(2人分)
(A)オクラ:200グラム(輪切り)
(A)玉ねぎ:1/2個(粗みじん切り)
(A)おろしにんにく:大さじ1
鶏もも肉:100グラム(サイコロ大)
薄力粉:大さじ1
(B)カットトマト:1/2缶
(B)水:1カップ(200cc)
(C)オレガノ:小さじ1/2
(C)カイエンペッパー:小さじ1/2
(C)タイム:小さじ1/2
(C)パプリカ:大さじ1
(C)塩:大さじ1/2
(C)こしょう:小さじ1/2
- 鍋に油を熱し、中火でAをしんなりするまで炒める。鶏肉を加え、色が変わるまで炒める。薄力粉を加え、3分ほど混ぜながら炒める。
- Bを加え、弱火で10分煮込む。
- Cを加え、さらに弱火で20分煮込む。
ドロワット(南アフリカ)
みんな大好きなカレーを、今流行りのスパイスを使って一から作るならこちら。ゆで卵がうれしいですね。
材料(2人分)
鶏もも肉:2枚(一口大)
レモン汁:大さじ1
(A)にんにく(みじん切り):1かけ
(A)しょうが(みじん切り):1かけ
(A)玉ねぎ(みじん切り):1/2個
(B)カルダモン:小さじ1/2
(B)ナツメグ:小さじ1/2
(B)パプリカパウダー:小さじ1
(B)こしょう:小さじ1/2
(C)カットトマト:1/2缶
(C)水:1/2カップ(100cc)
塩:小さじ1
ゆで卵:2個
- 鶏肉にレモン汁と塩(分量外)をすり込み、常温で30分置く。
- 鍋にAを入れて、中火でしんなりするまで炒める。Bを加え、香りが出てきたら、1とCを加え、からめる。
- フタをして、弱火で30分煮込む。
- 塩で味をととのえ、ゆで卵を加え、さらに10分煮込む。
「料理を通じて、世界の歴史や文化や問題に興味を持ってもらいたい」
緊急事態宣言を受けて、自炊している方も多いと思います。そんな中、「簡単」で「手軽」なレシピ本だけでなく、家で過ごす時間が増えていく、そして、外食する機会がない中で、失われた食事や料理の「楽しさ」そのものを提供できるレシピ本も必要なんじゃないか。
新型コロナウイルスの影響で、なかなか外出できない、楽しみも少ない今だからこそ。本山さんは、今回この本を全文公開に踏み切った理由を以下のように話します。
「現在の状況は、全人類にとって大変な試練ではあるけれども『おうちで作れる世界のレシピ』を見て、作って、食べて、料理を通じて、世界の歴史や文化や問題に興味を持ってもらいたい」
「新型コロナウイルスが巻き起こしている全世界の問題に対して、分断を生むのではなく、いろんな国の料理を味わいながら、世界の平和に想いを馳せてほしいと思っています」