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スタバ、繰り返し使える「グラス」導入。なぜこのタイミング?水の使用量は増えない?同社の回答は…

スタバが、店内用の冷たいドリンクの容器を、洗って繰り返し使えるグラスに切り替えることを発表しました。温かい飲み物はマグカップでの提供をしてきた同社ですが、導入がこのタイミングになったのはなぜでしょうか。また、切り替えの効果は。

スターバックスコーヒージャパンが3月末までに、店内で飲む冷たいドリンクの容器を、プラスチックや紙製の使い捨てのものから、洗浄して繰り返し使えるグラスに切り替えることを発表しました。

これにより、店から出るごみを年間で約100トン削減できるとしています。

一方、グラスを洗うには水が必要です。使い捨てコップの製造にも、原料に加えて水を使用します。

グラスの導入で、資源の節減にどんな効果が出るのでしょうか。

試験導入では「ごみ捨ての回数が半減」

スターバックスでは2022年4月から、店内用のグラスの試験導入を東京・渋谷など約100店舗で行ってきました。その結果、「ごみ捨ての回数が半減した」などの効果が確認できたといいます。

これを全国に展開することを、同社は2月20日に発表しました。

3月20日から、東京・丸の内、銀座エリア、京都、静岡などの約100店舗でグラス提供を先行導入。3月末までに、客席のない店舗や収納スペースの少ない店舗などを除く、全国の約1500店舗に拡大します。

導入されるグラスは、落としても割れにくい樹脂製。大きさは2種類あり、小がショートとトール、大がグランデとベンディのサイズに対応しています。

SNSでは…

グラスの導入について、SNSでは「いい試み」「グラスの方がおしゃれ」など前向きな反応が多く出ています。一方、「なぜ今まで無かったのか」と疑問を投げかける声もありました。

スターバックスもこれまで、店内利用での温かいドリンクはマグカップで提供してきました。しかし、冷たいドリンクについては、一部の商品をプラスチックカップから紙製カップに切り替えて提供したり、蓋なしで提供したりしてきましたが、一部の店舗を除いてグラスでの提供は行ってきませんでした。

この点に対して、同社の広報は「洗浄のオペレーションや設置スペース、軽量で耐久性がある素材選定などの点で検証を重ね、このタイミングでの導入となりました」とコメント。

SNSでは、洗える容器に変更することで水の使用量が増えることを懸念する声も出ています。同社は「使い捨てカップの製造時の水使用量に比べ、樹脂製のグラスを導入した方が、長期的には水の使用量を抑えられる」と見ています。

同社は2030年までに二酸化炭素、廃棄物、水を50%削減することを掲げており、今後も「リユースやリサイクルの促進、サステナブルな素材への変更などを進めていく」としています。