【画像】溶けゆく氷河が滝に…。「自然」をテーマにした写真コンテスト、息を呑むような受賞作品がこちら

「自然」をテーマにした写真コンテストの受賞作品が発表されました。美しさと自然の儚さを捉えた写真を、撮影者のコメントともに紹介します📸

Nature TTLが主催する自然をテーマにしたフォトコンテストが開催され、今年の受賞作品が発表されました👏

8つのカテゴリーにわけて表彰される同コンテスト。

今回は、カテゴリーごとの優勝作品／準優勝作品の中から厳選した10作品を、撮影者のコメントとともに紹介します！

オーストフォンナ氷帽（ノルウェー）

©Thomas Vijayan /NatureTTL

ノルウェーのスヴァールバル諸島にあるこの氷帽は、約8000平方キロメートルにおよぶ、ヨーロッパで3番目に大きな氷河だ。地球温暖化の影響を受けて溶け続け、海面上昇が起こっている。

「オーストフォンナ氷帽を訪れ、溶けゆく氷が滝を作っている様子を撮影した」

「6月なのに、すでに氷が溶けてしまっているのを見て、がっかりした」

天の川（ハンガリー）

©Bence Mate /NatureTTL

「私は常に、自然を新しい視点から撮影しようと思っている」

「この写真は、水槽に入れたカメラを遠隔操作して撮影した。撮影の瞬間、野生のイノシシが動かずにいてくれたのはラッキーだった」

「写真を撮影したハンガリーでは、天の川が地平線近くの低い空で観察される日が稀にある。この現象は、8月の数日間だけ起こる」

俺の王国（メキシコ）

©Simon Biddie /NatureTTL

カリフォルニアアシカの雄は、大人になると首回りが太くなり、頭はコブのように突き出る。繁殖期には、1頭の雄が5〜20頭の雌を率い、ハーレムを作るという。

「写真のオスは長い時間、私たちを一緒の空間にいさせてくれた。縄張り意識よりも、私たち人間への好奇心の方が強かったようだ」

「撮影を行った地域には、メキシコのほかの生息地と比べ、カリフォルニアアシカの個体数が多い。これは、ユネスコの世界遺産（「カリフォルニア湾の島々と自然保護区」）と国立海洋公園に指定されたことで生物の捕獲が禁止され、豊かな食物連鎖が守られているからだ」

戦うヨーロッパコマドリ（スコットランド）

©Jane Hope /NatureTTL

「クリスマスカードでよく見る、かわいらしいヨーロッパコマドリ。実は、春になると、縄張りや生殖をめぐって戦いを繰り広げるんだ」

「2021年4月に、私の目の前で戦う2羽のヨーロッパコマドリの姿をカメラにおさめた」

壁を越えて（メキシコ）

©Fernando Constantino Martínez Belmar /NatureTTL

ジャガーは、IUCN（国際自然保護連合）の準絶滅危惧種に指定されているネコ科の動物だ。ジャガーの保護活動の結果、2010年代には個体数が約20%回復した。

「以前にも発見されたこのジャガー。ジャングルにつながる壊れた壁に、カメラを仕掛けることにした。フラッシュを炊き、後方の壁にジャガーの影が映るようにした」

「密猟、森林伐採、生息地の分断で、人間界と関わる機会が増えた。ジャガーにとっては悪影響のほうが大きい」

アイスランドの氷の洞窟を突き抜ける力強い太陽嵐（アイスランド）

©Josselin Cornou /NatureTTL

アイスランドの冬といえば、オーロラと、氷河が削られて形成された氷の洞窟が有名だ。

「アイスランドの氷の洞窟からは、オーロラは滅多に見れない。通常は、洞窟の北もしくは真上にオーロラは現れるから」

「朝の3時に、オーロラが南に移り、息を呑むような光景が広がった」

「15分後には、オーロラは再び北に移ってしまった」

交差点（ドイツ）

©Simone Baumeister /NatureTTL

「ある夕方、写真を撮りたい衝動に駆られたけれど、光がなくては撮影は難しいもの」

「街の中心の交差点が見える橋に行った。橋の手すりには、クモがたくさんいた」

「私が使ったのは古いアナログのレンズ。たくさんの車が行き交う街の交差点の信号の光を取り入れ、1匹のクモを撮影した」

奥行き知覚（オーストラリア）

©Rowan Dear /NatureTTL

撮影されたのは、オーストラリアの東海岸に姿を見せるジェリーブラバーというクラゲ。

「今年は、いつもの2〜3倍の数のジェリーブラバーを見た。特に、水深5メートルほどのところに大量に集まっていた」

「水面から海底を撮影し、実際どれくらいの数が集まり、エイリアンのようになっているかを、奥行きを生かしてリアルに伝えた」

絵画（ノルウェー）

©Florian Smit /NatureTTL

「死んだガが、細菌の膜の表面に横たわっている姿を撮影した。ファインダー越しに、絵画のように見えた」

消えゆく（アメリカ）

©Robert Gloeckner /NatureTTL

「フロリダの海岸で、オオアオサギが緑色の光の陰を形作っている。この緑色は、信号機の光が反射したものだ」

「自然の生息地が減少した今、オオアオサギは、漁業者などの人間の邪魔をし、簡単にエサをもらおうとしている」