テロ事件の容疑者が使っていたiPhoneのロック機能解除を求める連邦捜査局（FBI）と、拒否するAppleが対立している問題で、国連の「表現の自由」特別報告者が、Appleを支持する姿勢を表明していることが、BuzzFeed Newsの取材で分かった。
国連の「表現の自由」特別報告者であるデビッド・ケイは国際法学者。表現の自由についての専門家であるケイは、AppleにFBIへの協力を求めているピム裁判官あてに、第三者的な立場からの意見書を出した。
BuzzFeedが入手したこの意見書で、ケイは通信のプライバシーについて「表現の自由の根本だ」と指摘。
暗号化や匿名化の技術は、国家による違法な検閲を回避する手段で、「情報やアイデアにアクセスする権利をもたらしてくれるもの」だと記している。
ケイはそれとは別に、国連が作成した暗号化に関する報告書もピム裁判官に送った。その報告書には、警察・検察やテロ対策機関が、盗聴や、地理位置情報技術、データマイニング、そして物理的な監視に様々なツールを使っていると記載されている。
ケイは、報告書を前提にすると、米政府はさまざまな捜査・調査方法を用いることができたはずだが、こうしたさまざまな手段を、FBIが尽くしていたかどうかがはっきりしないと指摘。AppleがFBIの要求に応えることが、事件捜査に不可欠と言えるかどうか「定かではない」と疑問を呈した。
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