Facebookの災害時情報センターは2014年10月に開始して以来、約9億5千万人に通知を送信している。
東日本大震災がきっかけで開発された災害時情報センター。災害が起きた場合、Facebook上で「自分の無事を報告」できる。また、Facebook上でつながりがある人の安否を確認することができる。2015年11月からは、テロ事件などの人災の安否確認にも適応している。
過去にはインドや台湾での自然災害やフランス、ナイジェリア、トルコのテロ事件を受け、安否確認のツールを有効化している。
3月27日、日本時間の深夜にパキスタン東部パンジャブ州ラホールの公園で、キリスト教徒を標的とした爆破テロが発生した。政府当局によると、犠牲者の大半は女性や子どもであり、少なくとも69人が死亡、数百人が負傷している。
この爆破テロを受け、Facebookは安否確認ツールを有効化したのだが……
なぜか日本にいる人にも通知が届いた
日本以外にも、イスラエル、フランス、ドイツやアメリカに住む人々にも通知が届き、混乱を巻き起こした
一方、「パキスタンにいるんだけど、通知がこなかった。他の国には通知してパキスタンにはしないなんて、どういう意味?」という不満の声も上がっている。
Facebook CEOのマーク・ザッカーバーグが安否確認の通知が送られた数時間後に、災害時情報センターの安否確認ツールに関する投稿をした。ツールの背後にある論理や、過去の通知について述べている。
私たちは今朝、パキスタンのラホールの公園で子どもや家族をターゲットとした爆発が起きたのを受け、安否確認ツールを有効化しました。この2カ月間にわたって、トルコやベルギーを含めたテロ行為を受け、安否確認ツールを数回有効化しました。友人や大切な人がその地域にいる人々の無事を確認するためにです。
それぞれの襲撃は異なりますが、どれも共通のテーマがあります:恐怖と不信感を拡散するのを目標に実行され、コミュニティ同士を敵視させようと試みていたことです。
私たちを分断させようとする者に対抗するには、嫌悪よりも共感を速く広めることのみが持続可能な方法だと信じています。そして、すべての国のすべての人が繋がっていると感じ、大事にされていると感じ、愛されていると感じる—こういう世界こそ築くことができ、築かれるべきなのです。
BuzzFeed Newsの取材に対し、Facebookの広報担当者は安否確認の通知の「誤送信について確認中です」と説明する。
「パキスタンのラホールでの爆発を受け、安否確認ツールを有効化しました」と広報担当者は語る。「残念ながら、被害に遭っていない人々にも安全を確認する通知が届いています。誤送信の問題解決の努力をし、誤って通知を受信した方々にお詫びいたします」
テロが発生する場所によって、ツールが有効化されたり、しなかったり。判断基準に対する批判もある。
2015年11月にレバノンの首都ベイルートで43人が死亡したテロの際は確認がなかった。しかし、翌日発生したパリ同時多発テロ事件には安否確認が有効化されたのだ。
「世界にとっては、パリで人が死んだことの方が、ベイルートで私の知人が死んだことより重要なのだ」と指摘し、Facebookの対応や欧米での被害ばかりが話題になることを批判したブログは世界に拡散した。
安否確認の通知によって「テロをとても身近に、感じさせてくれる」との声も。
サムネイル写真:Facebook災害時情報センター / Via Facebook: Facebook災害時情報センター