レディー・ガガ、日本のプレゼントに号泣 アルバム「ジョアン」に込められた思いとは

    「悪い日があったとしても、一人じゃないってことを思い出してほしい」

    11月2日、レディー・ガガが東京・港区のホテルで会見を開いた。

    新作アルバム「ジョアン」の発売記念で緊急来日したガガは「みなさん、こんにちは!」と手を振りながら挨拶して登場。2年ぶりの来日に「日本に戻れて嬉しいです」と笑顔でコメントした。

    「ジョアン」は、家族についてのアルバム

    アルバム「ジョアン」について、ガガはこう説明する。

    「どの作品も、ある意味自伝的なもの。中でも『ジョアン』は個人的なことについて、より深く掘り下げている」

    「プロデューサーのマーク・ロンソンと一緒に仕事をしていたとき『ポップソングを作曲できるし、作るのが好きなのはわかっている。でも、ガガ、何について歌いたいの?』と聞かれた。そこで、家族について一度も作曲していなかったことに気付いた」

    家族にとって大きな存在となっている叔母ジョアンは、ガガが生まれる前に19歳という若さで他界。

    叔母の死は、家族に大きな影響を与えた、とガガは目を閉じながら話す。

    「痛みを強さに変えることも、教えてくれた」

    ガガのミドルネームもジョアン。そんな守護天使みたいな存在の叔母ジョアンを中心に、作曲したという。

    日本のファンにささげたい曲とは

    アルバム「ジョアン」から日本のファンに一曲ささげるとしたら、どの曲か。BuzzFeed Newsの問いに対し、ガガは15秒間考え込んだ。

    急に静まりかえる会見会場。ガガは、ふふっと微笑みながらこう答えた。

    「今だったら、『ミリオン・リーズンズ(Million Reasons)』だと思う。この曲はヒラリー・リンジーという、とても素晴らしい女の子と一緒に書いた。最近、ピンクの帽子とかを身につけて行動している。強い女性でも、ピンクを着て良いと思うから。音楽をやったり、楽器を演奏したりしていても、キラキラしたものやハイヒールを履いて良いと思う」

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    LadyGagaVEVO / Via youtube.com

    「ミリオン・リーズンズ」は、フェミニンな曲でもあると話す。

    「強いメッセージのある重要なサビの部分を、日本のファンにささげたい」と、ゆっくりと「ミリオン・リーズンズ」の歌詞を語り始めた。

    I bow down to pray
    I try to make the worst seem better
    Lord, show me the way
    To cut through all his worn out leather
    I've got a hundred million reasons to walk away
    But baby, I just need one good one to stay

    日本のファンに「信じること」の大切さを伝えたいというガガ。「ジョアン」に入っているすべての曲に共通するテーマだと話す。

    「誰にでも、信じたいと思う存在がある」

    「みんなにとってのジョアンがいるのかもしれない」

    「悪い日があったとしても、一人じゃないってことを思い出してほしい。いつでも信じることができるのよ」

    通訳の女性が日本語で話し終えると、ガガは彼女の方を見て、微笑みながら「上手ね」とねぎらう場面もあった。

    音楽活動をこれからも続けたい、と夢を語るガガ。家族を大事にする環境で育ったガガは、今後10年で新しい家族を築き、子どももほしいと話す。

    ピンクの帽子の意味

    ピンクの帽子をアルバムのジャケットにしたエピソードについて聞かれると、自宅にいるときにインスピレーションを受けたと話す。

    こんな寂しくて悲しい思いが、ガガの頭の中をよぎったという。

    「家にいると安全で自由なのに、外に出たら自由が奪われてしまう。私の後を(パパラッチが)ついてくるのは合法だし、どこに行っても写真を撮られる。ビーチでも、犬の散歩中でも…本当に普通の生活をしているときに」

    「人とこんなに違うと感じているのに、どうやって世界が共感するような曲を作れるんだろう」

    思いにふけている間、壁に掛けられたピンクの帽子をかぶり、ふと考えた。

    「どんな最悪な日でも、ピンクの帽子をかぶったら物事を改善しようと思えるのね」

    ガガによると、ピンクの帽子は喜び、女性であることの誇り、そして鎧を意味する。

    プレゼントには、アルバムをイメージした羽織が

    イベントの最後には、主催者側が「ジョアン」をイメージした淡いピンクの羽織をサプライズでプレゼント。包みを開けた瞬間に、ガガは手を口に当てた。

    目に嬉し涙を浮かべさせながら「ありがとう、とても美しい」と感謝を述べた。

    羽織を着た後に帽子をかぶった瞬間、ガガはうつむいて泣き始めた。

    そして、手で涙を拭きながら「『ジョアン』が世界中にリリースされていることは、家族にとっての癒しになっている。癒しの一部になってくれて、ありがとう」と日本のファンにも感謝の気持ちを表した。

    羽織を着て感情を高ぶらせながら、ファンに伝えたいこととして「自分は一人じゃないと知ってほしい」と再びメッセージを送った。

    「日本は喜びにあふれた国。みんな美しい心を持っている。この喜びを、ぜひお返ししたい。アリガトウ。XOXO(ハグとキス)、ジョアン」

    笑顔とピースサインで会見は終わった。