ラーメン「一蘭」の台湾店、初OPEN前から謝罪騒動 サービスの値段が倍の理由とは

    一蘭のサービスが「高すぎる」「その金額でラーメンを何杯も食べられる」と批判が殺到。

    6月15日、博多ラーメン「一蘭」が台湾の台北本店で開店する。アメリカと香港に続いて3カ国目の海外出店だが、開店前から謝罪する騒動となっている。

    問題になっているのは、一蘭のお土産をある一定の金額で購入した人が優先的に席に案内される「ファストエントリー」。

    このサービスは、日本の太宰府参道店、道頓堀店本館と別館でも提供されている。

    天然豚骨拉麵專門店 一蘭台灣 / Via facebook.com

    「ファストエントリー」の仕組みが説明されている図。お土産商品の金額を払えば優先案内で列に並ばず席につけるのがポイントで、食後に商品を受け取るシステムになっている。

    しかし、日本で1万円の値段が台湾だと約2万2000円(6000元)と倍に設定されており、「高すぎる」「その金額でラーメンを何杯も食べられる」と批判が殺到。

    また、台湾大学の教授が「不買運動しようと思わないのか」とFacebookの投稿で問い出したこともあり、台湾では大きく報じられた。

    一方で、「待つ時間を考えれば合理的だ」「払いたいなら払えばいいし、払いたくないなら並んで食べればいい」という声も上がっている。

    「市場調査の不足とサービス内容の説明不足」

    この騒動を受けて、一蘭の台湾公式Facebookでは、11日に謝罪文が掲載された

    「台湾と日本の消費文化には差異があって、貨幣を直接換算して定価を設定するのは、確かに妥当ではなかったことをお客様のご意見をいただいてから気づきました」

    また、「市場調査の不足とサービス内容の説明不足によって起きてしまった」と説明している。

    中央通訊社によると、一蘭の海外広報担当者も12日、報道陣の前で謝罪した。報道陣前で、価格が6000元に設定されているのは「利用者の人数を抑制するため」だと話した。

    ファストエントリーが始まった理由とは?

    サービスが導入された経緯について、一蘭(日本)の広報担当者はBuzzFeed Newsにこう話す。

    「すべてのお客様は平等と考えております。有名人・著名人やボディガードを伴う要人の方々にもお並びいただいております」

    「しかしお並びの有名人に気づいたファンの方々が殺到し、せっかくお待ちくださっているお客様にもご迷惑をおかけしたことが多々ございました」

    お土産を購入しにくる旅行中の客も考慮していると説明する。

    「せっかく遠方からお越しいただいたにもかかわらず、行列のため時間の関係上ラーメンをお召し上がりいただくことなく帰られる方も多くいらっしゃる状況でございました。そうしたお客様に対しても、何か喜んでいただけるサービスはないかと検討を重ねておりました」

    「行列の混乱を招くことなく、特典として喜んでいただけるサービス」としてファーストエントリーを導入したという。

    このサービスについて広報担当は「飛行機のファーストクラスやテーマパークのサービスを参考した」と話す。

    値段が高いけど…その内容は?

    値段が高い分、内容もことなるのだろうか。

    日本では、2000円の「博多細麺(ストレート)一蘭特製 赤い秘伝の粉付き」もしくは「一蘭ラーメンちぢれ麺 一蘭特製 赤い秘伝の粉付き」(太宰府参道店のみ)を5箱購入すると、1人が優先案内される。

    一方台湾では、約2740円(750元)の「博多細麺(ストレート)一蘭特製 赤い秘伝の粉付き」を8箱購入することによって、2人まで優先的に席へ案内する。

    「一旦サービスを導入させていただき、お客様の動向によっては価格、商品を変更させていただく可能性もあります」

    また、ファストエントリーだけではなく、メニューも日本の価格と比較すると高いのでは、という声も上がっている。

    値段が上がってしまうのは、日本から一部の食材を輸送しているからだと説明する。

    「日本で食べていただくのと同じ味を提供させていただきたく、ダシ、赤い秘伝のたれ、スープに関しては、日本から定期的に現地に送っております」