フリマアプリで流通する偽ブランド 買うときに騙されない方法と最新の対策

    鑑定士が教える買う際にチェックすべき5つのポイントは。メルカリは機械学習で対策。

    ユーザー間で商品を売買するフリマアプリ。便利で大人気だが、有名ブランドのコピー品の流通が度々話題になる。対策はありうるのか。

    ブランド品のリユースを手がけるRECLOは8月、ある調査結果を公表した。

    フリマアプリ、ネットオークション大手「メルカリ」「ラクマ」「フリル」「ヤフオク!」で出品されていたハイブランド12点を購入して鑑定したところ、全て偽物だったという内容だ。

    12点中12点というのは、驚きの確率だ。BuzzFeedは、RECLOに調査方法などを聞いた。以下のルールで商品を購入し、プロの鑑定士が真贋を確認したという。

    • 「コピー品」などと紹介されている明らかな偽物は除く
    • 楽天市場の正規品価格より40%以上割安のもの
    • サムネイル画像や商品説明では真贋がはっきりしないもの


    そうやって購入した、LOUIS VUITTONのボストンバッグ(25000円)、GOYARDのパスケース(19200円)、CHANELのボトルネックレス(10000円)、Christian Louboutinのパンプス(9900円)PRADAのTシャツ(5800円)など、いずれも偽物だったという。

    「真贋の見極めはプロでも難しい」

    RECLOがこの調査を実施したのは、ユーザー間のいわゆる「C to Cサービス」利用者に警鐘を慣らすためだ。ユーザー同士のやりとりでは、商品が本物かどうかを第三者が確認することは難しい。

    調査を担当した鑑定士は「手にとって見ても、詳しい人でないとわからないものもある。アプリのサムネイル画像と説明書きだけで真贋を見極めるのは、プロでも難しい」と話す。

    RECLOはブランド品の売買を仲介する「C to B to C」サービスだ。ブランド品を買取、鑑定士が真贋をチェックした上で、販売する。

    「コピー品が出やすいブランド品の売買には、利用者(コンシューマー)と利用者の間を企業(ビジネス)が仲介する『C to B to C』が適している」

    RECLOを運営するアクティブソナーの青木康時社長は、BuzzFeedにそう語る。

    「今回、偽物を出品していた人が、過去も偽物を売っていたかというと、そうとも限らない。出品者自身も偽物と知らないケースがあるだろう。そして、購入者も知らずに買ってしまう」

    誰かが鑑定しない限り、ぐるぐるとコピー品が流通するというわけだ。本物と信じて買う利用者にも、ブランドにとってもダメージになる。RECLOは現在、フリマで買ったブランド品の無料鑑定を実施している。

    フリマアプリやネットオークションで買う際に、最低限注意する5つのポイントを聞いて、以下にまとめた。


    価格

    複数のECサイトで価格を比べて、半額など大幅に安くないか。

    画像

    商品の画像がボケているものや、遠目から撮影した画像だけの商品は怪しい。同一商品の本物画像とも比べてみる。

    説明文

    どこで買ったかなどの詳細が書いてあるか。

    コミュニケーション

    価格、画像、説明文などを質問する。丁寧な返答があるか。

    出品者の履歴

    今回調査で評価が高い出品者から偽物が届いた例もあったので、万能ではない。


    メルカリが取り込む対策は

    ユーザーが自衛する以外に方法はないのか。大量の人員とテクノロジーで対策に取り組む最大手メルカリにも取材した。

    メルカリは2017年6月時点で国内ダウンロード数5000万、アメリカで2500万と圧倒的に成長している。

    力を入れているのがカスタマー・サポート(CS)。500人いる社員のうち、CS担当は250人。24時間365日、ユーザーからの質問や苦情などを受け付けている。偽物に関する情報もだ。

    ここに寄せられた情報を元に出品をチェックし、コピーだと確認できたものは削除している。700社のブランドと提携し、そこからも情報を受け付けている。

    これだけの体制があるからこそ、今年、現金や商品券などが出品されて騒動になった際は、報道される頃にはほぼ全て削除するという素早い対応ができた。

    BuzzFeedの取材に応じた山田和弘・CS担当執行役員は、コピー品やルール違反の出品などを「事前に全て防止することは、現状では非常に難しい」と認める。

    しかし、ユーザーが自衛する以外にも方法はある、という。鍵を握るのがテクノロジーだ。画像データを集めて機械学習し、偽ブランド品を含む利用規約違反の出品を自動的に見極める技術開発に取り組んでいる。

    ブランド品の取引に関する新たなサービスも準備中だという。

    山田執行役員は「メルカリはテクノロジーに力を入れている会社なので、ユーザー側で自衛していただくのみではなく、我々としてもしっかりと信頼性を担保していきたい」と話している。

    訂正

    当初の記事で、「昨年、現金や商品券などが出品」とあるのは「今年」の誤りでした。訂正します。