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テレビがいま選ぶネットのパートナーはここ テレビ東京がnoteと資本業務提携

noteに集まるコンテンツをテレビへ、テレビ番組をネットへ。Win-Winが作りやすい両者の関係。

noteとテレビ東京がタッグを組む。テレビ東京ホールディングスが、note運営会社ピースオブケイクの第三者割当増資を引き受けると8月1日に発表した。

テレビとネットのコンテンツ製作力を掛け合わせる狙いがある。

発表によると、出資比率は約3%。今回の資本業務提携で次の3つの取り組みを進めるという。

(1)テレビ東京が放送・配信する作品の発掘

(2)ユーザー参加型コンテンツの制作

(3)コンテンツの新たな宣伝手法の開発

noteの作品がテレビ番組に

noteには著名人やプロのライター / クリエイターから一般の人たちまで、様々なユーザーが記事を書いたり、作品をアップしたりしている。その中には大きな話題となり、テレビ番組の原作やネタとなりうるものもある。

noteを活用したテレビ企画や作品発掘には、事例がある。4月から5月にかけてnoteで開催された「コミックエッセイ⼤賞」は、ピースオブケイク、テレビ東京、幻冬舎の3社で開催。4212件の応募があり、⼊賞作品の映像化の企画も進んでいる。

番組書き起こしがネット拡散を生む

テレビコンテンツのnoteでの情報発信も先行事例がある。グループ会社を通じてピースオブケイクに出資しているTBSは「NEWS23」スタッフノートをnoteで公開している。

サカナクションの山口一郎さんとNEWS23の小川彩佳さんの対談は、NEWS23で放送したインタビューの書き起こし。PVは非公開だが、分析ツール「クラウドタングル」で調べると、FacebookとTwitterでも1万7000を超えるシェアやいいねなどの反応があった。

テレビ番組の書き起こしコンテンツは、これまでスポーツ新聞やネット専業メディアなどが得意としてきた。テレビでの著名人の発言を素早く書き起こし、発信することでヤフーニュースに取り上げられ、莫大なPVを稼いできた。

そこに目をつけたのがAbemaTVのAbemaTIMESだ。自社で記事化することで、ネット上に拡散する記事の内容をコントロールし、番組と記事の両面からのメディアの成長が可能となる。TBSやテレビ東京がnoteに注目するのは当然の流れとも言える。

ピースオブケイクによると、noteは2014年4⽉のサービス開始以来、現在までに約350万件の作品がアップされ、⽉間アクティブユーザー数は1000万⼈に達しているという。