「天皇陛下の生前退位」報道 宮内庁の否定から一夜明け、各紙の報道は

    誤報を懸念する声も広がったが......

    天皇陛下の「生前退位」に関する速報が流れて一夜明けた7月14日、新聞各紙はどう報じたか。

    7月13日に最初に報じたのはNHK。午後7時に独自ニュースとして「生前退位の意向を関係者に示した」と報じた。

    報道各社は「NHKが報じた」「宮内庁関係者への取材でわかった」などと、一斉にデジタル版でNHKの報道を後追いした。

    一方で、宮内庁の山本信一郎次長は「報道されたような事実は一切ない」と否定。「(天皇陛下が)制度的なことについては、憲法上のお立場からお話をこれまで差し控えてこられた」と述べた。

    山本次長の発言も次々と報道され、ネット上には「誤報」を懸念する声が広がった。

    昨日、NHKが天皇陛下が譲位について御希望を述べられていると報道しましたが、深夜の記者会見で宮内庁長官及び次長がそうした事実はないと否定しました。万一誤報だとすれば、大変遺憾な事態です。

    一夜明けての各紙の報道は。

    日経:「宮内庁関係者の話で明らかになった」と報道。

    朝日:「宮内庁関係者への取材でわかった」と報道。

    読売:「宮内庁関係者の話でわかった」と報道。

    毎日:「政府関係者への取材で分かった」と報道。

    産経:「13日、わかった」という表現で、情報ソースは明らかにせずに報道。

    「天皇陛下が生前退位の意向を示している」という点は、全紙共通している。

    毎日新聞は「数年以内に譲位」と見出しにとったが、朝日新聞は、具体的な手順について「宮内庁として一切検討していない。ご意向と実現できるかは別の話」という宮内庁幹部の声を紹介している。

    宮内庁が13日夜に報道を否定したことについては「宮内庁サイドが拙速な議論を忌避している実態があるとみられる」(産経)という指摘もある。