iPhoneが日本に上陸したのは、2008年7月11日のこと。その日、m-floの☆Taku Takahashiさんは京都にいた。
iPhone 3Gの発売日だったこの日、東京・表参道のソフトバンクショップの前には、いち早くiPhoneを手に入れようと多くの人が長蛇の列を作っていた。そこに、孫正義社長や女優の上戸彩さんが現れ、セレモニーは華やかな雰囲気に。テレビカメラも集まり、全国ニュースとなった。
どうしてもiPhoneを手に入れたかったTakuさんは、表参道を諦めた。
「(表参道は)絶対に勝ち目がない」
仕事が京都であったわけではなく、iPhoneのためだけに発売前日、京都のビックカメラへと急いだ。先頭に並んだTakuさんは、京都新聞の取材を受けた。
記者はまさかこの男性が超有名なm-floの☆Taku Takahashiさんとは気づかなかった。Takuさんは、こう名乗って取材に応えたという。
「横浜市から来ましたタカハシタクです」
2008年7月11日付夕刊の京都新聞には、こう書かれている。
京都市下京区の家電量販店「ビックカメラJR京都駅前店」では十日夕から発売を待つ人が訪れた。早朝には約四十人が店の前に並び、午前八時から整理券による受け付けが始まり、この日の販売分八十台の券が午前中になくなった。
正午に販売が始まると、整理券を手にした来店客が窓口に続々と集まり、実物の入った箱をうれしそうに見つめた。十日午後五時すぎから徹夜して並んだ中京区の会社員佐々木光明さん(31)は「実物を見ると、タッチパネルが使いやすそうだ。早速利用してみたい」と喜んだ。
一番乗りだったTakuさんは、取材を受けたにもかかわらず、芸能人と気付かれることもなく、そのコメントは記事に載らなかった。京都新聞は、地元市民の声を優先したのだろう。
そんなTakuさんだが、iPhoneに対する思いは熱い。
「iPhoneが生まれて、どれだけ自分の生活が豊かになったか」
日本上陸10周年を迎えたことについて、こう話している。
「今では、発表のタイミングで『大きな発表なかったね』って言っているけれど、それだけ大きいものを作り上げてきて、完成形まで持ってきたことってすごいと思うんですよ。『びっくりすることなかった』っていう人には、こう言いたいです。『もう、最高なものできてるでしょ』と」
--
Takuさんをはじめ、iPhoneに思い入れの深い、かじがや卓哉さん、倉持由香さん、ゴー☆ジャスさんと共に、iPhoneについて、たっぷり語ったBuzzFeedのライブ番組は、こちらからご覧になれます。
iPhoneにまつわる思い出を、ハッシュタグ「#iPhoneの思い出さらす」でドシドシ投稿してください