クリスマスを前にした日曜日、多くの人で賑わう東京・表参道の街が、一瞬ざわめき立った。表参道でも中心部にあるApple表参道に、Appleを率いるティム・クックCEOが突如現れたのだ。
その目的は、iPhoneアプリを開発するデベロッパーと会い、近況を報告し合うこと。84歳のソフトウェアデベロッパー、まあちゃんこと若宮正子さんや、U-22プログラミングコンテストで経済産業大臣賞の受賞歴もある、13歳の菅野晄(すがの・ひかり)さんと歓談した。
若宮さんが「アプリが多国語に対応にしたので、触ってみてください」と伝えると、クックCEOは「それはすごい。私でも楽しめますね」と喜んだという。若宮さんは2017年、Appleが主催する開発者会議(WWDC)に招待され参加。旧交を温めた。
中学生の菅野さんはクックCEOに会うのは3年ぶり。「前あったときはこーんなに小さかったのに!」とその成長に驚いたクックCEOは「来年はWWDCに来てほしいな!いまから準備しないとね!」と菅野さんに声をかけた。
その後は子どもたちが参加するプログラミングセッションに飛び入り。およそ30分に渡って滞在した。
クックCEOのTwitterによれば、その後もソフトウェアデベロッパーや研究所などの訪問をこなし、夜は俳優・シンガーソングライターの星野源さんと会食。居酒屋での一杯を楽しんだ。
iPhoneよりはるか昔。かつて政府や大企業のものだったコンピューターを、個人がクリエイトし、自己表現する道具へと変え、世界を動かしたApple。個人の夢を、才能を、クリエイティビティを支える哲学は、いまも息づいている。