Posted on 2020年6月16日

    リモート会議でネット回線が混雑。どうしたらいいの? 5Gは? 専門家に聞いた

    「ネットが遅い」リモートワークでの悩み、感じたことはありますか? どうして遅くなるのか、そしてどうすればよいのか、専門家に聞きました。

    「すみません、音が途切れて何言ってるかわからないです…」

    緊急事態宣言によりリモートワークが本格化した5月。自宅から参加しているビデオ会議で、同僚から指摘を受けた。思い当たる節がある。そういえば最近、家からのネットが遅い。速度を測るといつもより10分の1以下、スマホより遅い。日中に人口が増え、集合住宅の光ファイバーが混雑していた。

    日立や富士通といった大手企業もリモートワーク継続を決定し、各大学もリモートでの授業環境を整えるなど、「アフターコロナ」もリモート需要は続きそうだ。

    緊急事態宣言下で、インターネットのインフラに何が起きていたのか。そして今後、どのような回線を選べばいいのか。ITジャーナリストの西田宗千佳さんに聞いた。(6月中旬取材)

    Daichi Ito / BuzzFeed

    「ZOOM飲み会」も話題になったが…


    ——新型コロナウイルスの影響で、インターネットのインフラはどのような影響を受けているのでしょうか?

    通信事業者の統計で全体のトラフィックを見ると、コロナウイルス以降で何倍も急に混むようになった、という印象はありません。

    全体では30%から40%の上昇、と言われています。でも、それはマクロで見たときの話で、ミクロで見ると変わってきます。

    たとえば昼間の住宅地のトラフィックが5〜6割変わった、という話もあります。これだけ上がれば、大規模マンションの回線が遅くなるというのは十分にあり得る話です。

    また、特にビデオ通話の影響で「上り回線」の利用が増えています。こちらは下りより遅い場合が多く、混雑が目立ちやすい特徴があります。

    今まで、昼間のトラフィックはオフィスが集まる都心部に集中していました。逆に、昼間の住宅街はほとんどトラフィックが集まらないのが普通でした。昼間は都心中心にインフラが最適化されていたわけです。

    それがコロナによって、親たちが自宅でビデオ会議をやる、子どもたちが動画を見る、ビデオで授業を受ける、といった動きになると、これまでの前提が崩れます。昼間、ネットが遅くなる原因はここにあります。

    単身の若い層には固定回線を持っていない人も多く、スマホのテザリングやモバイルWi-Fiルーターを使っています。そうすると、昼間、住宅地で遅くなるというのは、光ファイバーに限ったことではなく、携帯電話でも同じことが起こるわけです。

    もっとも最近は、緊急事態宣言が解除され、都市部にトラフィックに戻りつつあるようです。

    ITジャーナリストの西田宗千佳さん

    ——YouTubeやNetflix、Amazonプライムのような動画サイトが人気ですが、この影響はありますか?

    確かに、かつてレンタルDVDで映画を見ていたのが、この何年かでNetflixになり、Amazonプライムになり、というライフスタイルの変化はありました。

    でも、トラフィックへの影響でいうと、みなさんが想像するほどそんなに大きなインパクトではなかった。回線が逼迫しないように、自動的に画質を落とし、データを軽くする仕組みがあるからです。

    あとはトラフィックの多くを占める人気の動画は、実際、インターネットを経由せずに、比較的、ユーザーの近いところに置かれているキャッシュサーバーに格納されています。動画サイトの影響は大きくないでしょう。

    Dado Ruvic / Reuters

    Small toy figures are seen in front of diplayed Netflix logo in this illustration taken March 19, 2020. REUTERS/Dado Ruvic/Illustration

    ——さて回線対策ですが、話題の5Gはどうでしょうか。5Gを契約すれば、家の回線を引かずに済むでしょうか。

    いますぐには、難しいでしょう。まだ、インフラの整備が追いついていない状態です。私も5Gの端末を買いましたが、まだ2回しか5Gの電波を拾っていません(笑) 都心部でも2020年末から2021年、いまの4Gのように、どこでも使える全国レベルとなると2022年まで待つ必要があるでしょう。

    5G本来のスピードが出るようにするには、数百メートルおき、電柱ごとに基地局を置かなければならないようなイメージで、まだ時間がかかるのが実情です。

    コロナ以前の計画だと、当然のように都市中心にエリアを広げる計画を立てていたと思いますが、今後は利用実態のデータを見ながら、計画が見直されていく可能性もあります。コロナ後もリモートワークが定着することで、都心部の人口に応じてトラフィックが恒常的に2割、3割減るのでは、という予測もあります。

    期待されるのは今年の後半に出るであろう、5G対応のiPhoneでしょう。ヒット商品のiPhoneに合わせてインフラ整備のスピードが進む、というのが理想的なシナリオですね。

    Stephen Lam / Reuters

    頼みはiPhone

    ——5Gはまだ、となるとステイホームでかさむ通信費を節約するテクニックは?

    リモートワークが長期化するなら、固定回線を引くことを考えたほうが携帯電話の追加料金を払っていくより、最終的には安くなるでしょう。今は、携帯電話回線と固定回線のセット割がどの事業者にもありますので、有効に使うとよいと思います。

    見落としがちなのは、集合住宅でケーブルテレビに加入している場合です。ケーブルテレビのインターネット固定回線を契約すると、新たに通信会社から契約するよりも安くなるケースが多いはず。集合住宅に住んでいる方は、ケーブルテレビに加入しているかどうか、改めて確認するとよいでしょう。

    光ファイバーに関しては、事業者がここをチャンスとみて、集合住宅の管理組合に加入キャンペーンを売り込むなど、積極的な動きもあるようです。そういったキャンペーンに乗っかるのもよいでしょうね。

    学生の方は、学生向けのパケット代減免措置があるので、必ず使いましょう。

    最後に、ちょっと裏技的ではありますが、NTTドコモの5Gを契約するという手もあります。今、割引ありで月額4480円、なしで7650円のプランに入ると、データ量が無制限のキャンペーンをやっているんです。5Gの電波自体はまだほとんど飛んでいない状況ですが、4Gでもつなぎ放題なんですよ。テザリングの制限もないので、パソコンでも使えます。

    なぜドコモかというと、auにやソフトバンクはテザリングの制限があり、ソフトバンクには「50GBまで」という通信量の制限があるからなんですね。

    楽天モバイルを使う方法もあります。こちらもデータ量は無制限です。ただし、こちらは「楽天モバイルの自社エリアのみ」という制限があり、KDDIのローミングを使うエリアだと、使い放題ではありません。どちらのエリアに住んでいるかはわかりづらいですし、楽天モバイルのエリアは都市部が中心ですから、注意が必要です。

    ドコモにしても、楽天にしても、5Gのプランを契約するにはまだ高価な5G対応スマホを買わなければならないので注意が必要です。

    社会全体としては、リモートワークのサポートにむけて、企業側の対応として、通勤手当が通信手当にかわっていく流れを期待したいですね。

    BuzzFeed Daily

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