13日、マサチューセッツ州にある二年制大学が、優雅なクラシック音楽のコンサート会場へと変貌を遂げた。
中国系アメリカ人のチェロ奏者、ヨーヨー・マ氏は、ワクチンを接種するため、新型コロナのワクチン接種会場に指定されているバークシャー・コミュニティ・カレッジを訪れた。
その待ち時間の間、医療従事者やワクチン接種者のために自分で持ってきていたチェロで美しい音楽を演奏した。
バークシャー・コミュニティ・カレッジが投稿した演奏の様子。マ氏は、音楽家バッハの「無伴奏チェロ組曲 第1番」を披露した。
マ氏は、世界的な人気を誇る演奏家だ。2020年2月に予定されていた沖縄公演では、2万円のSS席チケットが完売した。
「地域にお返しがしたかった」とマ氏は演奏をしようと思ったきっかけを話す。
動画には、マスク姿のマ氏が、学校の体育館でチェロを演奏する姿が映っており、ワクチン接種後の人々からの拍手が聞こえる。

コロナ禍の中、マ氏が人々のために無料で演奏を行ったのは今回がはじめてではない。
昨年9月には、アメリカ人ピアニストのエマニュエル・アックス氏と共に、社会の機能を維持する仕事を続ける「エッセンシャルワーカー」に向け、トラックの荷台で野外演奏を行っている。
マサチューセッツ州議会議員のピニャテリ氏は、「マ氏の美しい音楽は、人々に希望をもたらしている」とSNSに投稿。マ氏の心温まる演奏を称賛した。

世界各地で予定されていたコンサートは、新型コロナの影響で中止や延期を余儀なくされたが、マ氏は活動を続けている。
新型コロナで亡くなった人々を追悼するオンライン配信の出演や、苦労しているアーティストへ向けた情報発信を積極的に行っている。
また、昨年の3月から「#SongsOfComfort(安らぎを与えてくれる曲)」のハッシュタグと共に短い演奏動画を投稿する取り組みを始めた。
新型コロナの影響で、世界中の人々が不安と葛藤を抱えるなか、マ氏が心安らぐと感じる曲を演奏し投稿しているのだ。
この取り組みは、他のミュージシャンにとって、家から自分の作品を共有し、他のアーティストとコラボするきっかけの場となった。
昨年の3月14日に最初の音楽が紹介された。
In these days of anxiety, I wanted to find a way to continue to share some of the music that gives me comfort. The first of my #SongsOfComfort: Dvořák – "Going Home” Stay safe.
「不安な日々が続く中、私に安らぎを与えてくれる音楽を人々に紹介していきたい。#SongsOfComfort (安らぎを与えてくれる曲)プロジェクトで最初に紹介する曲は、アントニン・ドヴォルザークによる曲、『家路』」
この記事は英語から翻訳・編集しました。翻訳:オリファント・ジャズミン