誰かに「人種」について聞かれたらなんと答えますか?
子どもがわかりやすく「人種」を学べる動画があります。
子ども向けの教育番組を制作するアメリカの非営利団体「セサミワークショップ」が公開した動画のタイトルは『Explaining What is Race?』(人種の説明)。
アフリカ系マペットのウェスくん(5歳)とその父親・イライジャさんが登場し、番組キャラクターのエルモと人種やアイデンティティーについて話し合う内容となっています。
「ウェスの肌はどうして茶色いの?」
動画はウェスくんとイライジャさん親子が公園のベンチに腰掛けているところから始まります。
散策中に綺麗な紅葉を楽しんでいる2人のもとにエルモが現れ、紅葉している落ち葉を拾ってこういいます。
「この葉っぱはエルモの毛みたいな赤で、この葉っぱはウェスの肌のような茶色だね」
イライジャさんはこのエルモの発見について「いい観察力だね」と言います。
すると、エルモは質問を投げかけます。
「ウェスの肌はどうして茶色いの?」
これに対し、ウェスくんは両親に教えてもらったと前置きしたうえで、答えます。
「メラニンによるものなんだよ」
エルモは「メラニン?それは何?」と返すと、今度はウェスのパパ、イライジャさんがこう説明しました。
「メラニンはみんなそれぞれ体の中にもっているもので、肌の色を左右するんだよ。目や髪の色もメラニンによって決まるんだ」
エルモはまた質問をします。
「僕たちみんなメラニンを持っているなら、どうして違う(肌の)色になるの?例えば、どうしてイライジャさんの肌の色はウェスよりも濃い茶色なの?」
イライジャさんは「いい質問だね!」と返し、続けます。
「エルモ。メラニンをもっている量が多いほど、肌の色は濃くなるからだよ。肌の色は私たちが誰なのかという点ですごく大事なことなんだ」
「あらゆる違いがあるように見えていいんだということを私たちは知っておかないといけないよ」
「肌の色、髪質、鼻、口や目といった外見が私たち自身を作り上げているんだよ。多くの人がこれを『人種』と呼ぶけど、外見は違って見えても私たちはみんな人類の一部なんだよ」
この答えを聞いたウェスくんは一言。
「それってカッコよくない?」
エルモも納得した様子で言います。
「すごいかっこいい」
「あらゆる肌の色の人が集まれば一緒に強く立てる」
その後、大きな木を見上げながら、「違った色の葉っぱが見えるよ」と話すエルモ。
ウェスくんも「いろんな色の葉っぱが集まるとすごく素敵だね」と応じます。
木は、様々な色の落ち葉を落としながら、どっしりと立っていました。イライジャさんは、2人に語りかけます。
「あらゆる肌の色の人が集まれば、強く立つことができるんだ。この木のようにね」
個々のアイデンティティについて学び、祝福する
セサミワークショップは公式インスタグラムで、この動画にこんな願いを込めています。
「すべての家族に自分たちのアイデンティティを祝福し、子どもたちと人種や人種差別について話すきっかけにしてほしい」
セサミストリートはこれまでも人種や人種差別をテーマにわかりやすく説明した動画を公開してきました。
子どもがわかりやすく学べる内容となっているので、親子で一緒に観るのもいいかもしれませんね。
<サムネイル:Jemal Countess / Getty Images>