満開の桜の下で、涙ぐむおばあちゃん。視線の先にいるのは晴れ姿の孫でした。
見ている人も思わずうるっときてしまう……そんな心温まる写真が話題になっています。
プロカメラマンのm i t o / 桃さん（@mito_pic）が、自身の家族を撮影した写真をTwitterに投稿したところ、1万回以上リツイートされ、9万を超える「いいね」が集まりました。
リプライ欄では、「見て泣いちゃいました」「素敵すぎて、心が洗われました」と大きな反響が寄せられています。
投稿された写真は、弟さんの成人式の後撮り。きっかけは、プロのカメラマンとして活動するm i t o / 桃さんにお母さんから依頼があったことでした。
新型コロナの感染を懸念し、成人式当日にはおばあちゃんに会うのを控えたという弟さん。せっかくならとおばあちゃんも撮影に誘ったのだと言います。
2人を素敵に収めた写真からは、撮影者のあったかい気持ちが伝わってくるようです…。
どんな思いでこの写真を撮ったのでしょうか？
BuzzFeedは撮影者のm i t o / 桃さんにお話を聞きました。
ーー弟さんの晴れ姿とおばあちゃんの喜ぶ姿を撮影している時、m i t o / 桃さんはどのような気持ちになりましたか？
弟の晴れ姿を見て、あんなに小さかった弟が本当に頼もしくなったなと感心しました。
何よりその姿を見て嬉しそうに笑うおばあちゃんを見て「なんて幸せな瞬間なんだろう」とひとりのカメラマンとして感動しました。
私もその光景を見て、もらい泣きをしてしまい、その場にいる３人のうち2人が号泣しているという周りの方からしたら不思議な光景だったなと今となっては思います（笑）
天国のおじいちゃんも一緒に
ーー特にお気に入りの1枚はありますか？
どれもお気に入りなのですが、おばあちゃんの指輪にクローズアップした写真が１番のお気に入りです。
私と妹の成人式の際には、今は他界したおじいちゃんも揃って、一緒に写真が撮れたのがとても印象的でした。
今回の弟の撮影の時には、おじいちゃんがいなくてどこか寂しい気持ちがありました。
ですが、おばあちゃんがおじいちゃんからプレゼントしてもらった指輪をしてきてくれたので、天国のおじいちゃんも一緒に撮影に参加してくれた気がしてとても嬉しかったのを覚えています。
実はおばあちゃん、普段は指輪をしていないのですが、この日は頼んでいないのに自分からこの指輪をつけてきてくれました。
そんなこともあって尚更、おじいちゃんが一緒に来てくれているんだなと感じました。
ーー写真に寄せられた多くの反響の中で、印象的だったものはありますか？
コメントや引用リツイートをしてくださった皆様の温かい言葉が印象に残っています。
中には、「写真を見て幸せな気持ちになりました。ありがとう」と感謝のお言葉までくださった方もいました。
私からしたら「写真を見てくれてありがとう」とこちらが感謝したいところなので、なんて優しい世界なのだろうと心から幸せな気持ちになりました
「桃ならできる！」会社員からプロカメラマンに
ーーm i t o / 桃さんはこれまで会社員として働かれていたとのことですが、プロのカメラマンになったきっかけはなんだったのでしょうか。
フリーランスのプロカメラマンになったのは2019年の7月頃です。
元々ディズニーリゾートで写真を撮るのが好きで、趣味で投稿を続けていたんです。
ラブグラフという出張撮影サービスに出会い、「幸せな瞬間を、もっと世界に」というコンセプトに強く共感し、ラブグラフのカメラマンになりたいと思ったのがプロカメラマンになろうと思ったきっかけです。
当時はまだ会社員として働いていたので、フリーランスのカメラマンを目指すなど笑われても仕方がないと思っていましたが、家族みんなが「桃ならできる！向いてるよ！いいじゃない！！」と背中を押してくれました。
ーーカメラマンに転身すると伝えた際には、おじいちゃんおばあちゃんはどのような反応をされていましたか？
プロカメラマンになるという決意を伝えに1人で会いに行った時には「すごいね！また孫自慢ができる！」ととっても喜んでくれました。
これは今まで家族にも言っていない、おじいちゃんとおばあちゃんと3人だけの秘密なのですが、「こんなことでしか応援できないけど」とカメラの資金になるようなお小遣いを渡してくれました。
この支援で購入したカメラは大切にたくさん使ったので、今はもう使用していないのですが、宝物として今も大切に保管しています。
ーー最後に、m i t o / 桃さんが写真を撮るときに大切にされていることを教えてください。
趣味で写真を撮る時から変わらず意識しているのは「今、目の前にある景色をそのまま切り取る」ことです。
自分で書いていても当たり前のことだなと感じますが、私の原点であり大切にしていることです。
どんな思い出も記憶の中だと、どんどん色褪せていってしまいます。
ですが、写真というツールを使うことによって、もう2度と見ることのできない「今」の景色を残すことができます。
何年も写真を撮り続けていますが、それって本当に尊いことだと思っています。