「昔の姿に戻すレンズをつくりました」――。
Twitterに投稿された、なんでもドット絵風にしてしまうレンズが「すっごい不思議!」「天才がいた」と話題です。
中央に置かれた四角いレンズ。その後ろにカービィのぬいぐるみを置くと……?
なんと一昔前のコンピュータゲームのような、ドット絵風のカービィに変身してしまいました。なにこれすごい!
このツイートには約8.3万件のいいねが集まり、リプライ欄には「天才の所業!!!」「その発想が出来る脳みそが羨ましい」と驚きの声が続出しました。
制作者に話を聞きました
「ピクセルミラー8」と名付けられたこの不思議なレンズを制作したのは、Twitterユーザーの“ものり”さん(@Hakusi_Katei)。
これまでにも制作していた従来版ピクセルミラーから、今回改良されてこの形になったそうです。
――この「ドット絵風に見えるレンズ」は、もともとどういった経緯で作り始めたのでしょうか。
もともと運営していたドット絵イベントの催し物として、来場者の方たちを「ドット絵」にできるツールがあれば..……と思ったのがきっかけでした。
また日常でもそんなツールがあれば、お気に入りの風景をドットにして遊んでみたり、見たくない情報の解像度を下げてモザイクにしたり、あえて画質を落とすことで面白い体験を作れるのではと考えていました。
――どういった原理でドット絵風に見えているのでしょうか。また、制作にあたって特別な加工技術などは用いていますか。
レンズの表には縦長、裏には横長の細い面が連続で並んでいます。これを正面から見ると、正方形の小さい窓がたくさんでき、裏側の景色がドット絵風に見える仕組みです。
他にもいろいろな理由でドットに見えているのですが、これは実際に作品を見てもらった方が面白いと思います。
制作にあたっては、樹脂や水晶の加工に加え、本体の透明度をかなり上げる必要があるため、職人さんの手で特殊な研磨を施してもらっています。
――今回投稿されていた「ピクセルミラー8」は従来のものと比べ、どのような違いがありますか。
従来の「ピクセルミラー」は水晶で制作しており、後ろの景色をピクセル化したときに上下左右が反転する特徴がありました。
今回アクリルで制作した「ピクセルミラー8」は、凹レンズ型にすることで見た景色をそのままにピクセル化できます。
また8×8だったピクセル数を16×16にして、より映像作品などに使いやすい大きさに変えました。
――かなりの反響がありますが、今後「ピクセルミラー8」の販売予定などについては考えていますか。
しばらくは個人ツールとして遊んでみようと思っています。もしかしたら、映像作品としてコラボレーションなどもできるかもしれません。
製作には少し難しい技術を使っており(またかなり高価なため)すぐには販売できないと思いますが、まさかの国内外からとても多くのご要望をいただいており、今後いろいろ可能性を探ってみたいなと思っています。
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「身に着ける小さな研究室」がテーマのものりさんのショップには、美術と科学を融合させた商品がズラリ。
現在「ピクセルミラー8」は販売されておらず、従来版の「ピクセルミラー」や、そのほかさまざまなアイテムが販売されています。