ZaraやH&Mのサプライヤーの環境汚染。 調達を止めるよう14万以上の署名が集まっている

    「空気と水の壊滅的な汚染」

    14万人以上の人たちがH&MやZara、その他の巨大ファッション企業に対し、汚染との関連がある製造業者からの調達を止めるよう求める嘆願に署名した。

    先月、これらのブランドと関連のある工場が地元の水路に損害を与え、有毒ガスを排出していると訴える報告書が発表されたのを受けての動きだ。

    報告書を公表したのはChanging Markets Foundationという財団。中国やインドネシア、インドの主要なビスコース繊維製造現場周辺で、汚染を示す証拠を発見したという。

    ビスコースは、シルクのようでありながら、より安価な衣服用の素材。化学物質で処理された木材パルプからできている。

    大手ファッションブランドはビスコースを多く購入している。

    報告書には、H&Mが8つの汚染工場から、Zaraが4つの工場から購買していることが明らかになったと記されている。

    ビスコースの製造過程で発生する汚染物質は、地元の水路や空気中にしみ出し、水生生物を殺してしまう。場合によっては水を飲めなくなるレベルにまで汚染することもあるという。

    「ファストファッション業界は、素材の廉価生産を推し進めている。中国、インド、インドネシアでの環境規制の甘さが、これに拍車をかけている」

    嘆願書には、次のような言葉がある。

    「あなたたちの会社が販売する衣料品は、アジアのビスコース工場での甚大な空気と水の汚染に、直接関係してきました。ヨーロッパの消費者である私たちは、以下のことを要求します。直ちに汚染をゼロにするための方針と計画の策定に取り組むこと、クリーンなテクノロジーに移行するために製造者と連携すること、新たな計画に応じることができないサプライヤーからの購買をやめること、です」

    H&MはBuzzFeed Newsに対し、報告書の内容について「深く憂慮している」と語った。嘆願を受けて、ビスコース供給業者と話し合いを進めているとも付け加えた。

    H&Mの広報担当者は、新たな化学繊維の使用ポリシーを作成していると述べた。ビスコース製造工場での化学薬品の使用と廃水処理システムを評価するための「ツール」を開発したという。この評価ツールを利用した調査結果に基づき、「必要とされる処置をとる」と述べた。

    「ビスコースの製造には、大量の化学薬品が使用されます。製造業者は管理の行き届いた薬品、廃棄物および廃水処理システムを製造工場に設置する必要があります」

    「ビスコースの製造工程がもっと持続可能になるようにして欲しいと思っています。私たちが期待する持続可能なプロセスを製造業者が取り入れない場合、その業者からの調達は止めます」

    H&Mはすでに「2020年までに、危険な化学物質の廃棄をゼロにするというゴールを設定」している。ビスコースの代替となる、より持続可能な素材の調査を進めていると付け加えた。

    Zaraの親会社Inditexは「サプライヤーが持続可能な実践に従っていることを確実にし、条件を向上するために継続的に取り組んでいる」と発表した。

    Inditexの広報担当者は、ビスコース製造に必要なパルプが持続可能な資源から調達されており、確実に「環境に優しいプロセス」を経由しているビスコース供給者と直接、連携していると語った。

    「ほとんどの供給者はこのゴールを達成しています。その他の供給者とは、環境に与える影響に継続して取り組んでいます。これはInditexの供給者であり続けるための必要条件です」

    この記事は英語から翻訳・編集しました。