トラックはクリスマスの屋台をなぎ倒し、買い物客らを巻き込んで、市場を進んだという。警察の広報担当、トーマス・ノイエンドルフ氏がドイツ・メディアに語る。
トラックを目撃したエマ・ラシュトンさんは「事故ではなかった。時速60キロで、市場の真ん中を走っていた。速度を落とす様子はなかった」とSky Newsに語った。
男の身柄を拘束
ベルリン警察によると、1人の男の身柄を拘束した。ヴィンフリッド・ヴェンツェル広報官はAP通信に、衝突現場から約2キロ離れた場所でこの男を確保したと話した。
同広報官がドイツメディアWeltN24に話したところによると、一人の目撃者が運転手を遠くから追跡。警察に居場所を伝えたという。警察は男を拘束しパトカーに乗せた。広報官は「男は動物園の暗がりに隠れようとしていたとみられる」と話す。
これとは別にトラックに乗っていた男性が死亡した。この男性はポーランド国籍で、トラックを運転してはいなかったという。
トラックにはポーランドのナンバープレートがついていた。警察によると、このトラックはポーランドの建設現場から盗まれた可能性があるという。
地元ARDの報道によると、トラックを所有する運送会社の社長はポーランドのテレビ局に、いとこがこのトラックでイタリアからポーランドに向かっていたと語った。
ただ、この社長は「(いとこが)襲撃するようなことはない」と話し、事件に巻き込まれた可能性を示唆したという。
現場の動画
TwitterやFacebookには、救急車や警察車両が駆けつけ、騒然とする現場を写した動画が相次いで投稿されている。
アメリカは「テロの可能性」
アメリカはテロの可能性があるとの見方を示した。
国家安全保障会議のネッド・プライス広報官は「アメリカは、テロ攻撃とみられるものを強く非難する」との声明を発表。「我々はドイツ当局と連携し、この恐ろしい事件から立ち直り、捜査を進めるにあたり、いつでも支援を提供する」とした。
トランプ次期大統領は「恐ろしいテロ攻撃」と呼び、「テロリストたち、その地域・世界ネットワークは根絶されなければならない」という声明を出した。
さらに「今日、トルコ、スイス、ドイツでテロ攻撃があった。悪化するばかりだ。文明世界は考え方を変えなければならない!」とツイートした。
7月にはフランスで
トラックによる襲撃事件としては、フランスの革命記念日にあたる7月14日、南仏ニースで、チュニジア出身の男が大型トラックを暴走させて群衆に突っ込み、86人が死亡した。
オランド大統領はドイツ国民らに対し、連帯と哀悼の意を示した。
NHKは、外務省の話として、今のところ日本人が巻き込まれたという情報はないと伝える。
更新
ドイツの捜査当局は20日、身柄を拘束した男性を証拠不十分で釈放したと発表した。事件の容疑者は逃亡している可能性があり、警戒を呼びかけている。