「枯れ葉剤大統領!」バスタ・ライムスら、グラミー賞で壁を壊す

    伝説的グループから新人賞アーティストが共演する舞台で、なにが起きたのか。

    2017年、グラミー賞授賞式。ヒップホップ・シーンの生ける伝説 A Tribe Called Quest (ATCQ) は、新人賞候補に選ばれたアンダーソン・パークをゲストに迎え、豪華なパフォーマンスを披露した。

    ステージには、ATCQと往年の盟友でもあるバスタ・ライムスも立っていた。そして、彼はドナルド・トランプ大統領を、こう呼んだのだ。

    「枯れ葉剤大統領」

    出演者たちは、ステージ中央の壁をぶち壊す。もちろん、トランプ大統領がメキシコとの国境に建てようとしている壁を意識していることは、言うまでもない。

    このパフォーマンスは、ATCQが2016年にリリースした曲「We the People」へとつながる。「We the People…」とは、自由と平等をうたうアメリカ合衆国憲法の冒頭部分だ。

    アメリカ合衆国憲法

    [前文]
    われら合衆国の国民は、より完全な連邦を形成し、正義を樹立し、国内の平穏を保障し、共同の防衛に 備え、一般の福祉を増進し、われらとわれらの子孫のために自由の恵沢を確保する目的をもって、ここに アメリカ合衆国のためにこの憲法を制定し、確定する。

    (引用:アメリカンセンター

    この曲の中で、ラッパー Q-Tipはこう繰り返す。

    「すべての黒人よ、お前たちは出て行け

    すべてのメキシコ人よ、お前たちは出て行け

    すべての貧しい人よ、お前たちは出て行け

    ムスリムよ、ゲイよ、お前たちの考えは嫌いだ

    そう、全ての悪人よ、お前たちは出て行け」

    この政治的な抗議パフォーマンスは、「抵抗しろ!」というQ-Tipの掛け声で締めくくられた。

    ATCQは、今年のグラミー賞にはノミネートされていない。彼らが18年ぶりのアルバムをリリースした2016年11月は、グラミー賞のエントリー締切後だったからだ。つまり、2018年には受賞の可能性がおおいに残されている。

    グラミー賞でのマイク・パフォーマンスは、この動画で確認できる。

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    この記事は英語から翻訳・編集されました。

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