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iPhone Xを買うべき人。買わなくてもいい人。教えます。

10万円超えるけどね。

初代のデビューから10年。ようやく、全画面のiPhoneがやってきた。

ホームボタンの代わりにあるのは、スクリーンだけ。スティーブ・ジョブズが2007年に初代iPhoneを発表して以来、最大のモデルチェンジといっていいだろう。

価格もすごい。64GBの価格は11万2800円(税抜)。256GBは12万9800円だ。もちろん、これまでのiPhoneで最高額である。

iPhone Xと1週間共に過ごしてきたが、結論を言ってしまおう。このスマホは万人向けではない。

全画面ディスプレイに顔認証、自分の顔と連動するしょうもない絵文字。これが必要か、と問われれば、もちろん、必要ない。

スマホを使い倒している人。そんな人のための製品だ。

写真と動画の撮影、SNS、ゲーム。ありとあらゆることをスマホでこなすパワーユーザー向けのデバイスであり、ちょっとメールをしたり、たまにInstagramにアップロードするような、ライトユーザー向けではない。そういう人たちには、iPhone 7や8で十分だ。

では、iPhone Xは、いいスマホなのか? 最高だ。

iPhone Xと私は決していい出会いではなかった。

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箱を開け、画面のステッカーをゆっくりと剥がし、起動した。間違えてロック画面の懐中電灯のショートカットを押してしまった。右上の角から下にスワイプしようとしてみた。これはコントロールセンターを呼び出す新ジェスチャーだ。反応なし。いろんな所から下にスワイプしてみた。またもや反応なし。

なので、懐中電灯をつけたまま設定した。これが、iPhone Xを使い始めて最初の5分間だ。

最初の2日間、アプリを山ほどダウンロードする間、スマホが電子レンジから出したてのマグのように温かかったということ。だが、それ以降は、4K動画を一日中撮影していた時以外は、熱くならなかった。

iPhone Xのディスプレイは、これ以前のiPhoneの液晶とは異なり、有機ELだ。

有機ELの主な利点は、輝度が高く、高コントラストなこと。他のiPhoneと比べると、文章を読んだり動画を見たり、単に画面に「目」をやったりするのがずっと楽だ。直射日光下、それもサングラスをしている場合は特に。

ディスプレイの対角は5.8インチで、8 Plusの5.5インチディスプレイより大きい。ただし、わずかに上下が長く幅が細い。

新しい操作も、一度覚えればすぐに慣れた。

長いことiPhoneにあったホームボタンは、スワイプと音量調整・電源ボタンの組み合わせに取って代わった。上へスワイプして、ホーム画面に戻る右上から下へ向けてスワイプして、コントロールセンターへ。下からスワイプしてホールドすれば、アプリの切り替え。横ボタンを長押しすると、押してホールドすると、Siriの呼び出し。横ボタンと音量ボタンを長押しで電源オフ……などなど。

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ジェスチャーは簡単なものもあれば、難しいものもある。

アプリ切り替えやホームボタンの代わりは、すぐに慣れたが、画面上部を下に持ってくる、簡易アクセスはいまだに慣れない。前のホームボタンをダブルタップの方がずっと簡単だ。

時間が画面最上部の左側に表示され、携帯、Wi-Fi、バッテリーのマークは、右上の角にある。真ん中の「切り込み」には前面カメラと顔認証技術に関する全てが詰め込まれているが、その見た目から、ネット上では批判にさらされている。

だが、それはたいしたことではない。私は少なくとも、あまり気にならない。

気になるのは、むしろ画面の一番下。キーボードが出ている状態だと、いつも画面最下部にデッドスペースができる。ここに句読点やら絵文字やら、いろんなものが置けただろうに、何もないままだ。

Appleは画面最下部にもっと便利なものをなぜ配置しなかったのか。あるいは、数字や絵文字の列を上に追加してキーボードを下げ、親指でもっと使いやすいようにしなかったのはなぜなのか。理解に苦しむ。

全画面アプリについて言えば、iPhone Xに対応しているものは少数だがすでにある。Facebook、Twitter、Messenger、Pocket、LastPass、Uber、Instagramなど、あとはSafariやメモ帳といったiOSのデフォルトアプリがそうだ。未対応のアプリには上下に黒い縁ができる。

Google Mapsなど、Googleのアプリも対応していないものがまだある。今のところ、よく使うアプリを開いた時に、Xから「スマートフォンの未来」を感じることはない。この10年見続けてきたのと同じガラス板を目にしているように思える。

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未来を感じないFace ID — だからこそ最高だ。

Face IDは感動的だ。なぜなら、それは目に見えないから。

スマホを手にとって上にスワイプすれば、もう認証済み。パスワード管理アプリを起動し、小さな丸がぐるぐる回れば、もう認証済み。

Androidにも顔認証によるロック解除機能が2011年から搭載され、今年すでにSamsungが独自のものを発表している。だが、これほどスムーズなのはAppleだけ。

自分の顔に3万もの目に見えないドットが投射されたり、自分の顔の3Dマップが暗号化され、スマホの中に入っているとは普通の人は気づかない。「未来的」な点は全くないのだ。Face IDを使うということは、パスコードのない生活に戻れることを意味する。

この世界では、パスコードは自分の顔なのだ。

私のFace IDの旅は蚊とともに始まった。

レビューを始めるころ、まぶたを蚊に刺された。

これは、私がAppleの本社に車で行って重役たちに会い、貸し出し品を受け取ってレビューを始める予定の日の、前夜のことだった。その夜、薬を飲んで、朝までに腫れが引けばいいと願った。でもダメだった。

そういうわけで、腫れたまぶたのまま、クパチーノへ向かった。Face IDを急いで設定した。時間を無駄にできない。目が腫れているせいでFace IDに何か問題が出るのではと心配だった。でも、驚いたことに、その後数日間、私の顔が普通に戻るまでの間、Face IDは目の状態が変化しても問題なく機能し、1度もFace IDの設定をし直す必要はなかった。

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Face IDは十分に速くて簡単、安全に感じた (双子やそっくりのきょうだいがいない人に限る)。

この機能は約束通りだった。サングラスをしていても、サングラス無しでも、髪を上げていても、下ろしていても、夜暗い場所でも、日中でも、きちんと作動した。

デフォルトの設定では、サングラスをしていない場合、Face IDが機能するためには眼を画面の方に向けている必要がある。(身体的理由で画面を見ることができない場合は、アクセシビリティの設定でこの条件をオフにすることも可能。だが、Appleによると、注視を必要とすることでより一層のセキュリティが提供されるとのこと)。もし横に目をそらしていたり、両目が閉じている場合は、ロックは解除されない。襲われたり逮捕されたりして誰かにロック解除を強要されることがもしあるなら、覚えておいた方がいいだろう。また、あくびをしている時も機能しない。

iPhone Xはこの「注視」機能を他でも使用している。もしアラームが鳴ったり電話がかかってきたりしてあなたが画面を見ているのをiPhoneが感知すると、音量が小さくなる。あなたが見ていることをiPhoneが感知してもタッチする行動がない場合 (多分熱心に記事を読んでいたりする時だ)、スリープ状態にならない。

Face ID使用中に画面を素早く上にスワイプすると、Touch IDと同じぐらい速い。

iPhone Xを持ち上げてスリープ解除し、視線を向けても、画面に通知は再表示されない。ロック画面を素早く上にスワイプすると、ホーム画面になる。

Face IDを登録するには、iPhoneが近距離にある必要がある (私の腕の長さくらい〜45センチほど)。だが、様々な角度で機能する。

Face IDでApple Payを使用するのは、Touch IDで使うよりもやや不便だ。Touch IDの場合は、カードリーダーに直接スマホを置き親指を押し付けるだけだった。その代わりに、サイドボタンをダブルクリックして顔認証し、その後端末にスマホをかざす必要があるのだ。

だが全体的に、Face IDはちゃんと動いていた。他のスマホが顔認証を実現しようとし、失敗してきたことを考えると、これは驚くべきことだ。

Galaxy Note 8は写真でロック解除できたし、 ユーザーがまばたきしないといけないAndroid 4.1の「生体検知」も、同じくだまされた。私はiPhoneを自撮り写真でだまそうとしたが、Face IDは全く反応しなかった。

だが、Face IDが完璧かと言われれば、そうではない。

Appleによると、 Face IDを使って無関係の人があなたのiPhoneをロック解除できる確率は、100万分の1 (Touch IDは5万分の1)とのこと。だが、この確率は13歳以下の子どもの場合は徐々に下がっていく。また、双子やよく似たきょうだいがいる場合にも確率は下がる。実際、担当編集のJohn Paczkowskiには一卵性双生児の子どもがいるのだが、Face IDのセキュリティをかわすことができた。

Face IDに使われている技術はTrueDepthと呼ばれ、顔を認識するだけでなく深さもわかる。

次のものが全て、上部にある例の小さな「切り込み」に詰め込まれているのだ。顔に赤外線を照射する投光イルミネータ、顔の3Dマップの作成に使われるドットプロジェクタ、これらのドットや赤外線をとらえる赤外線カメラ。

顔の3Dマップを作成する機能は、 顔の表情に合わせて動くanimojiにも使われている。TrueDepthカメラの精度は高い。腫れた目をちゃんと再現している。

また、AppleはTrueDepthカメラの情報を開発者に公開している。そして、SnapchatがAppleの拡張現実プラットフォーム・ARKitを使用して、顔と頭の動きをより緻密に追うことができる新フィルターをいくつか開発したばかりだ。このフィルターはすごいのだけど、超コワイのが本当に残念。

TrueDepthカメラのおかげで、ポートレートモードのセルフィーも撮れるように。

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背面カメラももちろんいい。

iPhone Xの背面カメラは、iPhone 8 Plusのものとほぼ同じ。今年発表されたiPhoneには新しい画像処理プロセッサが搭載されている。これは、露光、オートフォーカス、HDRといった機能や、より鮮やかな色を作り出す新「カラーフィルター」を最適化するものだ。8 Plusと同じく、Xにも広角、望遠、2つのレンズがある。

Xとの違いは、望遠レンズが8 PlusのF2.8から、F2.4に明るくなったこと。望遠レンズには光学式手ぶれ補正機能も搭載され、手ぶれよるぼやけを軽減できる。

静止画、特に夜景の撮影で、どちらのレンズでも明るくはっきり写る、ということだ。

Pixel 2の夜景写真の方がキレイだが、こちらには光学2倍ズームの望遠レンズは付いていない。

Pixel 2ではデジタルズームが使えるが、画像の解像度が下がってしまう。

次の写真は、iPhone Xのカメラで撮ったものの方が色に暖かみがあり鮮やか。一方、Galaxy Note 8による写真は明るいが少し白っぽく見える。

Galaxy Note 8は比較対象としてぴったり。なぜなら、こちらもデュアルレンズカメラで、同じように両方のレンズに光学式手ブレ補正機能が付いているからだ。

iPhone Xの動画性能についても、Pixel 2やGalaxy Note 8と比較すると同じことが言える。

バッテリーの持ちはまずまずだが、すばらしいと言うほどではない。

私のテストでは、iPhone Xは丸一日使って、少しバッテリーが残るくらい。2日通して使うには足りない。

iPhone Xのバッテリー駆動時間を正確に測定するのは難しかった。なぜなら、私はレビューのために1週間持っていただけだし、1秒あたり60フレームで4K動画を撮影したり、直射日光下で明るさを最大にして文章を読んだりと、毎日ヘビーに使いまくっていたからだ。でも一応、私の使用明細を次にお見せする (あと、興味のある人のためにiOSアプリの使用率の内訳も):

iPhone XはiPhone 8と同じく True Tone ディスプレイを搭載、またiPhones 7や8と同様の防水性能がある。

これらについてはどちらも詳しくは説明しない。True ToneとiPhoneのIP67等級について、詳しくは上のリンクでどうぞ。

結局のところ、iPhone Xで私にとって一番魅力的なのは、Face IDや3D顔スキャン技術、有機ELディスプレイ「ではない」。そこよりむしろ、8 Plusに近い画面サイズと2つのレンズのカメラが、小さな手やポケットにも収まるコンパクトなボディに収まっている、という点だ。

もはや、最大のスマホが最高、ではないのだ。Appleは、最高の機能を大きくてかさばる「Plus」シリーズに搭載してきた。Xがそれを変えたのだ。

手が小さい人や、レディースのパンツを履く人にとって、Xのサイズは素晴らしい特徴だ。

幅が広く重たいPlusとは違って、Xは私でも片手で扱えるし、ジーンズの小さいポケットにも楽に入れられる。地下鉄のつり革やスーパーの袋で片手がふさがっていても、Xはもう片方の手で自信を持って使えるのだ。壊れやすく巨大な機器を危なっかしく持っている、という感覚はない。

では、これは10万円以上払って手に入れる価値があるのか?

あなたが普通のスマホユーザーなら…iPhone 7と8は、それぞれ6万1800円、7万8800円から売っている。箱から出してすぐに使えるいいスマホが欲しいだけならばぴったりだ。

iPhone Xの購入を検討すべき人:

A) 写真と動画を撮る人。そして、iPhoneを使って自分の思い通りに撮影する方法を知っている人。

B) 新し物好きやガジェットマニア。新しい操作方法を学ぶのが億劫でなく、最新で最高の物を持つことが大好きな人がこのタイプ。

C) そして、何よりも、この価格を受け入れて、「なおかつ」、故障した場合に画面修理費用31800円とその他修理費用の6万800円が支払える人。

もうひとつ。

最後に、ストレージについて言っておきたい。iPhone Xは11万2800円の64GBか、12万9800円の256GBのどちらかを選ぶ必要がある。

私は、iPhone Xのカメラロールに615の写真と動画(そのうちおよそ100は1〜2分の動画) があり、81個のアプリも入っている。1週間経った時には、37GBのストレージを使用していた。615枚も写真を撮ったのに。

iOS 11の新しい画像フォーマットであれば、よほどのことがない限り、64GBで大丈夫。写真や動画をGoogleフォトやiCloudに自動バックアップしている場合はなおさら。もし、256GBを買ったなら、当分の間、容量不足を心配する必要がないだろう。


この記事は英語から翻訳されました。

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Nicole Nguyen covers products and personal technology for BuzzFeed News and is based in San Francisco.

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