ユニクロのTシャツに書いてあった、意味があるのかないのかよくわからないプログラム。もしもそれを本当に打ち込んで動かしてみたらどうなるのか……?
そんな素朴な疑問を、本当に行動に移してしまった実験動画が、5月末までに287万回再生を集めるなど話題になっています。果たして動くのか、それとも動かないのか……!?
「Tシャツに書かれていたプログラム」は動くのか動かないのか?
発端となったのは、ユニクロが4月21日に発売したチャリティーTシャツの一つで、アイテム名は「PEACE FOR ALL グラフィックTシャツ(半袖・レギュラーフィット)アカマイ」となっています。
そこでラムダさんたちは、足りない部分を予測しながら修正を加えていき、とうとう動くプログラムが完成!
実際に動かしてみた結果は、「登録フォームに『ターゲット名』と『数量』を打ち込むと、サーバにそれが表示される」というもの。
完成させたrossyさんも「サプライズでも埋まってるのかなと思ったら、とくにそんなことはなくただのサーバで何をしたらいいかよくわからない」とコメントしていました。
編集部はラムダさんにお話をうかがいました
――結局、今回のプログラムはどういったものだったのでしょうか……?
Go言語で書かれていた「ターゲットと数量を受け取ることのできるサーバー」といったようなものです。
こちらで動くようにした時点で、元のプログラムの要素が残っていたのは8〜9割ぐらいでした。抜けていた1割が実際の処理部分とサーバーの起動部分でしたので、補わないとどうしようもありませんでした。
――このプログラムについて気になった点や面白かった点は?
Go言語は誰が書いても近いコードになるように設定されていて、実際このコードもどこかで見たような一般的なコードになっているところは面白かったです。
プログラムをパズルにできるところも感心しました。抜けている部分はあるにしても、Goを知っているエンジニアなら推論できる十分な情報が残っていることが面白かったです。
気になった点としては、このコードは本当にプロダクションで使っているものかどうかです。
Go言語特有のゴルーチンとチャネル機能を使っていますが、その特性を有効に活用しているように見えなかったので、どのような目的でこの機能を使うことにしたのかが気になりました。またエンジニアが作ったデザインなのか、デザイナーが作ったデザインなのかも気になった点です。
動画はYouTubeショートにも投稿されています
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ユニクロ+ラムダ技術部によるこのプログラムはGitHubでも公開中。実際に動かしてみることもできるので、気になった人はチェックしてみてください。
ちなみに、このチャリティーTシャツを手掛けたアカマイ・テクノロジーズは、コンテンツデリバリーネットワークとクラウドセキュリティーサービス事業を手掛けている法人向けの世界企業。ユニクロもその顧客であることから、今回のコラボレーションが実現したようです。
なお、アカマイのYouTubeチャンネルでは、CEOのトム・レイトン氏がTシャツにコメントする動画も投稿されており、それによるとこのデザインは「ネット上の攻撃から守るためにアカマイ社の製品で実際に使われているコードから引用し、”PEACE FOR ALL”を表す文字をハイライトした」とのこと。
CEOがTシャツについて言及している動画
今回のチャリティTシャツは世界同時展開されていることもあり、再現されてもとくに問題ない部分のコードが使われているようですが、「誰も知らないインターネット上最大の会社」とも呼ばれるアカマイのプログラムの一端がファッションアイテムとして世に出るのはちょっとユニークな試みですね。