知ってる？ PTA役員・委員をキッパリ断る方法。役員経験者でも「知らなかった」意外なルールと現実を聞いた

PTA役員・委員を選出する際に立候補者がいない場合は「くじ引き」が行われることもあります。もしも大変な役が当たってしまったら、どうすればいいのでしょうか？

新年度を迎えて、保護者から新たにPTA役員・委員を選出する学校も多いのではないでしょうか？

「できれば引き受けたくない」あるいは「早めに引き受けて終わらせたい」など、家庭の事情によりさまざまな考えが頭を巡るはずです。

候補者が決まらない場合は「くじ引き」ルールになっている学校も少なくありません。

そもそも、PTAとは一体どんな組織なのでしょうか？

役員・委員にどうしてもなりたくない場合はどう対処すればいいのか、実際にPTAの仕事を経験した人はどう思ったのかも含めて調べてみました。

そもそも、PTAとは？

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日本PTA全国協議会の公式サイトによると、PTAとは『社会教育団体』のこと。子どもたちの健やかな成長と教育環境の向上、社会教育及び家庭教育の充実・発展のために幅広い活動を行い、大人もともに成長することを目標に掲げている組織です。

また、全国PTA連絡協議会の公式サイトによると「PTA・青少年教育団体共済法」などの法律にのっとって運営されており、＜PTAは任意加入の団体であり、結成や加入を義務付ける法的根拠はありません。＞と記載されています。

本部役員と専門委員ってどう違うの？

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都内のある小学校では、本部役員と専門委員によって構成されています。

本部役員は会長・副会長・書記・会計などの役職があり、イメージとしては生徒会に近い構成です。また、地域の育成会などが主催する講演会やボランティア活動の手伝いに出席が必要になる役職も存在します。

学校や地域と密にコミュケーションをとりつつ仕事をこなすことが多いため、校長や教頭など、先生との距離感も近いです。また、平日の稼働も多いため比較的保護者の負担は多いです。

専門委員は本部役員のほか、PTAの仕事を以下のように部門ごとに請け負い、業務を行います。各クラスから1名ずつ選ばれるケースが多いです。

広報――広報誌の作成を行う（入学式や運動会、文化祭など行事ごとに撮影が必要なケースも）。

校外（地区・地域）――通学路の見守り・旗振り当番・パトロールなどを行う。

選考委員――次年度の本部役員の選考を行う（候補者が見つからない場合は推薦された人に電話をかける場合も）。

企画（行事）――子どもたちのためのイベントを企画する。

卒業対策委員――卒業アルバムや記念品の手配を行う。

学校によって名称が異なっていることも多く、専門委員を設置していないケースも存在します。最近ではイベントごとにお手伝いを募集する学校もあるんだとか。

また、繁忙期と閑散期の差が激しい役も多いため、本部役員に比べると負担は比較的軽め。

とはいえ委員長や副委員長になった場合は、本部役員が出席する会議にも駆り出されるケースもあるため、平日の稼働は確実に増えます。

専門委員は新年度の4月に保護者会で立候補やくじ引き、推薦やアンケートなどで選出されるケースが多いです。

絶対に役員・委員にはなりたくない場合は……？

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前述の通り、PTAは任意加入の団体なので、役員・委員を引き受けることが難しいとはっきりわかっている場合は、非加入の意思を示すことも選択肢のうちの一つです。

また、PTAは子どもたちのための活動という名目で運営している組織なので、加入しなかった家庭が不利益を被ることは基本的にないと考えて良いでしょう。全国PTA連絡協議会は「親がPTAに加入しないことで、児童生徒がPTA活動で不利益をこうむることは許されません」と公式サイトで明記しています。

とはいえ学校によっては平等な対応を求めることが難しい場合もあるためリスクがないとは言い切れません。

ほかにも、PTAの仕事を経験した人に取材したところ、委員に選ばれても絶対に引き受けないと意思表示をした家庭に対しては、次のように対応せざるをえなかったと事情を明かしました。

「くじ引きで選ばれたものの『家族の介護の都合で絶対に仕事はできない』と初めから頑なに意思表示し断った人もいました。集まりにも一切参加せず、一貫して拒否の姿勢を貫いてらして……」

「欠員の補充で『またくじ引きをするのか』という話が出たり、『あの人だけ逃げられてずるい』『代わりは誰が連れてくるんだ』など、他のくじ引き選出者から不満が続出したり、とても大変でしたが、なんとか引き受けてくださる方を見つけて場をおさめました」

どうしても引き受けることが難しい場合には、役員・委員の選考を行っている部門に相談するのも一つの手かもしれません。

実際に役員・委員を経験した人は、非加入家庭をどう思っているの……？ 都内の小学校PTA経験者に内情を聞いてみた

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そもそも、PTAが任意加入であることを役員・委員を引き受けた後に知ったという方も少なくないようです。

💬「正直役員になって初めて知りました。年度の初めに加入するか否かのアンケートを取るべきなのでは？ とも思いますが、集計の手間を考えると大々的にアナウンスしていない現状も理解できます」

💬「私の場合は加入しないことで子どもが不利益を被るのではないかという不安から加入しました。ただ自校の場合は加入・非加入で子どもたちの扱いに差はなく杞憂でした」

💬「任意といいつつも実質は強制のように感じましたし、子どもが通っている以上、波風を立てたくなくて加入して役を引き受けました」

また「役員・委員を引き受けたくない」からPTAにも加入しない家庭に対しては、さまざまな意見が挙がりました。

💬「任意加入の団体ということであればそのようなケースも全然問題ないと思います。ただしPTA主催のイベントには参加できない、という覚書？は交わす必要があると思います」

💬「一保護者としては、任意団体である以上加入しないのも当然の選択肢であるけれど、PTAを経験し、内部を知った立場で考えると複雑です。個人的には一部の方の負担により、多くのいわば『フリーライダー』を支えるような構造は望ましくないと思います」

💬「経験者としては複雑な気持ちはありますが、非加入でもいいと思います。ですが波風を立てたくなければ、加入はしつつ立候補はしない……役が当たったら『どうしても無理なんです』と断るのが一番無難な気もします」

人によっては役員・委員を引き受けてもいいかも！ 意外なメリットも？

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💬「ほとんど校内に知りあいの保護者の方もおらず、保護者会などでは疎外感を感じたりもしていましたが、役員になったことで知り合いが増えました」

💬「校長先生や教頭先生と気軽に話せるようになったので、子供のことについて担任の先生に相談しづらいことをご相談できたことは良かったです」

💬「わずかな報酬を支払っている学校もあります。実際に私は通信費と称して2000円いただきました（全然割には合わないですが）。公には出ないルールだとは思いますが……」

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「実はPTAに加入しなくてもいい」「加入した役員・委員に選ばれても絶対に引き受けない意思表示をする人もいる」「加入しなくても子どもに不利益がない場合もある」など、意外な内情もあるようですね。

以上のことを踏まえると、

・制度上は断っても問題ない。

・ただしリスクがないとは言えないので、なんだかんだで仕方なく引き受けている人も多いのが現実。

・断るか引き受けるかは自己判断で、メリットデメリット踏まえて選ぶしかない。

ということが言えそうです。

学校のカラーや家庭の事情・自身のキャパシティーなどから検討し、納得できる答えを考えてみるのもいいかもしれません。