2050年、こんな仕事があったら…。手作業の素晴らしさを描いた漫画が話題です。
SNS上で漫画を発表している、さななんさん(@4649sananan)がTwitterに作品を投稿したところ、「素敵な作品…😭」「すごくグッと来ました!」などの反響が寄せられました。
注目の漫画がこちらです。




時は2050年。今よりも、もっと機械による自動化が進んだ架空の世界のお話です。
古くから伝わる伝統的な手仕事はほとんど消えてしまいました。そんな中、手仕事の技術を復元して受け継ぐ主人公が、つくる繊細な刺繍に人々は心を奪われます。
主人公はひっそりと、その手仕事を続けるのでした。
BuzzFeedは作者の、さななんさんに話を聞きました。
「2050年にあったらいいなと思う職業・やりたい仕事」というテーマで描かれたこちらの漫画。さななんさんは「やりたい仕事」に着目しました。
それでは、なぜ「手作業」という話題を選んだのでしょうか。
「身内に絵描きや職人がいたり、学生時は手を使って布やその柄をデザインするテキスタイル科に在籍していて『手で作られたもの・作ること』は身近でしたし、実現は出来ませんでしたが、それを職業にと考えた事もありました。『やりたい仕事』という言葉を見て、ふと過去を振り返ったら自然と『手仕事』が思い浮かんだのです」
さななんさんがこれまで心を動かされたものは全て、「手仕事」で生み出されたものだったといいます。
「現時点でも職人仕事や手工芸は消えつつありますが、人間独自の豊かな営みの一つとして30年後も残っていて欲しいという願いもあり、この漫画を描こうと思いました」
手仕事は、作り手のときめきや思いやりを直に感じられる。
さななんさんが消えてほしくないと思っている「手仕事」について聞きました。
すると、やはり漫画の中で登場した刺繍や木工、伝統的な技法を用いる綴織(つづれおり)など世界中にそれぞれ影響し合いながら発展し、暮らしに根付いた手仕事を挙げました。
「作っている様を見ていて飽きませんし、出来上がったものに触れると喜びを感じます。もちろん機械で作られたものも美しい。けれど、作り手のときめきや思いやりを受け手が直に感じられる、作られた背景に想像が広がる…。『手仕事』で生み出されたものからしか得られない、感動があると思います。消えてほしくありません」
最後に、この漫画を通して伝えたいことを聞きました。
「時間を使わずにいかに沢山のことが出来るかを求められる時代で、作業は仕事ではないとの意見も見られますが、本当にそうでしょうか。『手仕事』は繰り返しの作業が多いと思います。しかし、時間をかけ繰り返す中で思いが込められ、その先に素晴らしく美しいものが出来るのです」
「この漫画の中で描いた『手仕事』に喜びを見出す人、そうして作られたものを喜ぶ人。こんな風な気質を持つ双方の居場所がある社会が、今を生きる私たちの選択次第で未来にも作れるかも、ということを伝えたいです。伝わったら嬉しく思います」