感覚過敏について描いた漫画が話題です。
ざく ざくろさん(@timtimtooo)がTwitterに漫画を投稿したところ、「これは…私も同じだ」「感覚過敏ってこんな感じなんですね」などの反響が寄せられました。
注目の投稿がこちらです。
「私の感覚過敏」
実家に住んでいた頃、なんとなくくつろげないと感じていたざく ざくろさん。
理由の一つは「音」でした。
多い時で8人が一緒に暮らしていたという実家は、常に音で溢れていました。
まず気になったのがテレビの音。実家では、誰も観ていない時ですらテレビが点いていたといいます。テレビは音の種類が多く、チリチリと体力を削っていきました。
次に気になったのは、自分以外の生活音。田舎の一軒家に暮らし、騒音を気にしなくていい環境だったこともあり、声量やドアを開ける音などがとても大きく、気になったそうです。
実家でくつろげなかったもう一つの理由は、「光」です。蛍光灯の光が眩しく、目がシパシパしてしまうので、蛍光灯を消したり、暗い場所で過ごしたりしたといいます。
「子供は自分で住む場所が選べないのが辛い」
作者にとって、ここで暮らすのは難しかったのです。
BuzzFeedは投稿者のざく ざくろさんに話を聞きました。
実家での暮らしを「なんとなくくつろげない」と感じていたざく ざくろさんですが、自身が感覚過敏であると気づいたのは30歳の時に発達障害と診断された時だそうです。
医師からは「感覚過敏がある」とも伝えられました。
自分でも発達障害について調べていくうちに、感覚過敏についての知識も得ていきました。そして、自分とは異なり、光や音がしんどくない人がいると気づいたようです。
「皆も私と同じで眩しかったりうるさかったりしてると思っていたので、ビックリしました」
買い物や太陽光でさえしんどい
ざく ざくろさんの場合、漫画の中で紹介されている蛍光灯の光やテレビの音、他人の生活音以外にも「生きづらい」と感じることがあるようです。
例えば、スーパーマーケットでの買い物。
「スーパーの光と音がすごくしんどくて買い物にいって帰るだけで1時間くらい横になっています」
また、今は薬を飲むことで緩和されているといいますが、一時期は太陽光ですら眩しく感じていたといい、昼でも雨戸を閉めて過ごしていました。
今でも体調が悪い時は太陽光を眩しく感じ、「眼球に針を刺した」ような感覚に襲われ、外に出られないこともあるそうです。
さらには、必要な音だけを選別できず全部同じ大きさの音に聞こえるといいます。
そのため、ダウンジャケットなど、シャカシャカと大きな擦れる音が出る衣類を身につけている時は、隣で喋っている人の声が聞き取れないんだとか。
知ってくれるだけで安心
漫画に寄せられた反応を受け、喜んでいます。
「私以外にも感覚過敏の人がたくさんいてビックリしました。でも、しんどさを共有できてちょっと嬉しかったです」
「『こんなことでしんどくなる人もいるんだよ』と知って貰えるだけで嬉しいです。知ってくれている人がいるだけで精神的に安心するので」
そんなざく ざくろさん、軽度の知的障害を持つ主人公について描いた漫画をこのほど発売しました。タイトルは『初恋、ざらり』です。