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「バカにして本当にごめん」過去の失敗に向き合ったこの漫画、共感しかない!

過去の失敗からは目を背けたくなるけれど、その失敗があったからこそ今の自分があるんだ!

過去の自分をバカにしてはいけない。そう思わせてくれる漫画が話題です。

漫画家兼イラストレーターの歩さん(@ayumi_draw)がTwitterに作品を投稿したところ、「わかります😭」「これからやっていかなきゃなぁ」など共感の声が寄せられました。

注目の漫画がこちらです。

「過去の自分を絶対にバカにしちゃいけないと思った話」

漫画家の歩さんは、ふと初めて描いた漫画の原稿を手に取りました。

「おかしいな、おれの記憶では絵はもっと拙かったはず…」

しかし、実際には初めて描いた漫画の絵は非常に繊細で、当時の漫画への情熱がよく伝わるものでした。

思い返せばその当時、部屋に閉じこもり黙々と漫画を描いており、漫画に対しての「クレイジーな情熱」に燃えていました。

知識や経験がなくても、その情熱だけで次の扉を開けるんだという強い思いがあったのです。

しかし、その漫画の反響はあまり良いものではありませんでした。その一方で、次の作品であるデビュー作には、大きな反響がありました。

だからこそ、歩さんは初めて描いた漫画を「あんな作品」と卑下し、まるで無かったことのように自分から切り離してしまったのです。

改めて、当時の作品にきちんと向き合ってみた歩さん。

ストーリーは確かに荒削りですが、気持ちを込めた作品。その時の頑張り、粘り強さ、そして失敗があったからこそ、今の自分がいるのだと気づきました。

今までやってきたことをちゃんと認め、称えてあげようと思ったのでした。

BuzzFeedは投稿者の歩さんに話を聞きました。

この漫画にある「初めて」の漫画、『サルヴァドール』は今から6年前に描いた漫画だそうです。

『サルヴァドール』の原画を見つけて改めて読んでみると、その書き込み具合や熱量が記憶していたよりずっと高かったことに驚き、今回の漫画を投稿したそうです。

「原画を見ていたら描いていた当時の記憶がまざまざと蘇ってきて、あの頑張りを自分はなかったことにしていたのか!と強く反省しました。拙くても過去の自分の頑張りが今の自分を作っているのだと、時間を経てようやく認識できました」

「むしろ時間を経てから絵を見返したからこそ、客観的に見れたのかもしれません」

「誰も知らない」というエネルギー

漫画内で描かれていた、初作への熱意。漫画が描きたくて上京したという歩さんを、何がそこまで掻き立てたのでしょうか。

「一番はやっぱり先々『ECHOES』を描きたい、届けたい気持ちがものすごく強かったので、そこに繋げるための扉を開けたかったというのが何よりの原動力でした」

「漫画について何も知らないからこそ、無条件に自分の力を信じられたところもあります。初心者だから、失敗した経験すらもないわけですから。自分のことをまだ誰も知らないというのも逆にエネルギーになりました」

歩さんの原動力となってきたデビュー作『ECHOES』についても聞きました。

『ECHOES』は、歩さんが中学生の時から構想していたバスケ漫画です。

「自分自身が主人公と同じトランスジェンダー(FtM)で、女子バスケットボール部にいたのでその世界観に忠実かつ、LGBTQのキャラクターも自然に登場する青春ドラマを描きたかったんです。一番悩んでいた頃の自分がそういう物語を求めていたので」

過去の自分も今の自分も、ちゃんと肯定してやろう

歩さんは、今までは当時もらった辛辣な感想などが頭にこびりつき直視できずにいた初作『サルヴァドール』に対して、これからはこのように向き合いたいと語ります。

「そのときに作品にかけた愛情や情熱は本物なのだから、人になんて言われようとこの作品は自分の第一歩目の作品であり、誇りのひとつだなと思いました」

「誰にも過去の自分を笑ったり、卑下したりしてしまう一面があると思うのですが、僕はこの体験を通して過去の自分も、今の自分も、ちゃんと肯定してやろうと決めました。そういう健全な自信があってはじめて、本当の力が出せるんだと思います」

自分を自分で肯定してほしい

最後に、この漫画を通して伝えたいメッセージや、作品への反響についてのコメントについて聞きました。

「何を志している人にも最初の一歩目だったり、下手くそでもその時の全力を尽くしてやっていた日々というのがあると思うんです。今そのことで結果が出ていたとしても、あるいはその道を外れてもう別のことをやっているとしても、その誰にも知られてない頑張った時間のことを自分で肯定してあげてみてほしいです」

「どんなことでも今の自分に繋がっていると思うし、逆に今の自分の行動が未来の自分を作っていくので。そう信じて僕もこれからやっていきます」