「フツウ」について考えさせられる漫画が話題です。
Twitter上で漫画を発信している、もずさん(@mo_x_2)がTwitterに作品を投稿したところ、「沁みました」「普通ってなんだろう?」など反響が寄せられました。
注目の投稿がこちらです。
三山匠はしゃべらない。私を含め、この学校で彼の声を聞いた者はいない。






































「三山匠はしゃべらない」
転校生の三山くん。彼は同級生に話しかけられても、授業中に指名されても発言せず、転入して1ヶ月経つ頃にはクラスで孤立してしまいました。
そんな時、学級委員の紗倉さんは担任の先生に頼まれ、三山くんに喋ってもらえるようにアプローチすることになりました。
しかし、紗倉さんがいくら話しかけても、三山くんの反応はありませんでした。紗倉さんが諦めて去ろうとした時、微かに声が聞こえました。
声の主は、なんと三山くんだったのです。
「もしかしてさぁ、いままでずっとしゃべってたの?」
黙ってうなずく三山くん。紗倉さんは、今までずっと自分たちが無視されてきたと思っていました。しかし、実は無視していたのは自分だったと気づき、衝撃を受けました。
三山くんは実際にはいつも喋っていて、話してみればいいやつだと分かったのはいいものの、担任の先生はそれを全く理解してくれませんでした。
そんなこともあり、紗倉さんはつい、三山くんに厳しい口調で接してしまいました。
「なんで普通に喋れないの?」
傷ついた三山くんはその場を去ってしまいました。
そんな彼の態度にムカついた紗倉さんは、家に帰るとそのことについてお母さんに愚痴をこぼしました。
お母さんとの口論の中で、発した言葉は
「他の人のフツウなんて知らないよ!」
「私には私のフツウがあるんだから!」
咄嗟に出た言葉にハッとしました。自分も三山くんに「フツウ」を押し付けていたのです。
後日、紗倉さんは三山くんに謝りました。そして、三山くんの声を全部聞き取れるように聴力を鍛えることを決意し、2ヶ月かけて成功しました。
しかし、再び担任の先生は紗倉さんに理不尽な言葉を投げかけます。その時、大声を出して助けてくれたのは、なんと三山くんでした。
紗倉さんに感謝され、今までの様々な出来事を思い出した三山くん。
聴力の特訓をしたはずの紗倉さんも聞き返してしまうほど小さな声で、ある言葉を伝えました。
BuzzFeedは投稿者のもずさんに話を聞きました。
実はもずさん自身も三山くんと同じ悩みを持っており、この漫画を描くことにしたそうです。
「私自身、声が小さくてよく怒られていたので、すごく耳がいい人が現れて『私には全部聞こえるよ』と言ってくれたらいいなぁと思ったことがこの漫画を描いたきっかけです」
「人には人のフツウがある」
作中、紗倉さんは気がつくことができましたが、「人には人のフツウがある」と考えるのは難しいことではないでしょうか。
もずさんに気づきを得たきっかけを聞いてみました。
「特にこれといったきっかけはないのですが、社会人になって色んなタイプの人と出会ったことは大きいかもしれません。みんながみんな自分の思う普通を抱えて生きているんだなとよく思います」
最後に、漫画を通して伝えたいメッセージを尋ねました。
「男女で背が同じくらいの年頃ってなんかいいですよね」
ところで三山くんが最後に伝えた言葉、皆さんは聞き取れましたか?
