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「神技や…!」医師が手術器具で折り鶴→たった1分52秒で作品が爆誕「ゴッドハンド」「素手より速いww」と4万いいね!

あまりにも鮮やかなテクニック……!

これがゴッドハンドの本気……! 思わず見入ってしまうプロの技が話題になっています。

現役の消化器外科医・ナス太郎さん(@ysk84books)が、1月28日にX(旧Twitter)に、手術器具で折り鶴を折る動画を投稿したところ、4万件以上の「いいね」が集まりました。

ナス太郎さん「休日の趣味」「2分未満の感覚が戻ってきました」

休日の趣味
2分未満の感覚が戻ってきました pic.twitter.com/vC0ks8bb1Y

— ナス太郎 (@ysk84books) January 28, 2024
Twitter: @ysk84books

公開された動画には、黄緑色の折り紙を銀色の手術器具が手際よく折っている様子が映っています。

ササっとスピーディーな動きですが、決して雑ではなく丁寧に折り目をつけていますね。画面だけ見ていると、まるで折り紙専用のロボットのようにも見えます。

折り鶴が完成するやいなや、手術器具がすごい速さでタイマーのボタンを押し、1分52秒というタイムを叩き出しました。

この投稿には

💬「ゴッドハンド」

💬「神技や……!」

💬「すごい。プロの技術って美しいんだな……」

💬「普通の人の素手より速いwwwww」

💬「まるで指先のよう! 素晴らしい感覚ですね」

などのコメントが寄せられています。

また、ナス太郎さんは実際に操作しているところがわかる動画も投稿し、次のように説明しました。

「この動画は腹腔鏡手術の練習用の箱の中で手術器具を用いてモニターを見ながら7.5×7.5cmの折り紙で鶴を折っているものです」

「実際にお腹の中で鶴を折ることはないので、手術の練習になっているかは賛否両論ありますが、楽しいので続けています」

モニターの側にある長く連なった折り鶴も、これまでにナス太郎さんが折ったものなんだとか……!

Twitter: @ysk84books

あまりにも鮮やかなテクニックが気になったので、BuzzFeedはナス太郎さんにお話を伺いました。

折り鶴は腹腔鏡手術操作の練習として週に3〜4回、現在は1回15羽(約1時間)を目安に折っているというナス太郎さん。

週末はその週に手術した患者さんを診にいくついでに、病院のシミュレーションラボと呼ばれる練習機器が置かれている部屋で折り鶴を折っているそうです。


――この動画を撮影した日時と状況を詳しく教えてください。

「今回の動画は1月28日日曜日のものでXへの投稿を意識して折っていました」

「Xでの投稿用に2分未満で折ることを目的としているので、多少のゆがみは無視しています」

「15羽のうち4羽で2分を切ることができて、一番最後の鶴が最も速かったのでこれをXに投稿しました」

「ここ最近は2分切りを安定して再現することを一つの目標としていて精度がやや落ちても速く折る練習をしていました」


――凄まじい手捌きです……!一体いつから練習を始めたのですか? また、ここまで上達するまでどのくらいの期間練習をしてきたのですか?

「2012年7月4日に1羽目を折りました」

「最初は1羽折るのに1時間かかったものが30分になり、15分になり……と、徐々に速く折れるようになりました」

「1日30分を目安として練習して、15分で折れるようになったときは2羽、5分で折れるようになったときは5羽と1日に折る羽数を増やしてきました」

「週に3〜4回の程度で折っていたので、1000羽折るのに3年半かかりました」

「2022年3月に10000羽に達し、現在は14000羽ほどになっています。最近は1羽を2分半程度で折るので1回の練習で15羽折っています」


――「腹腔鏡手術の技術の底上げのために」手術器具で折り紙を折っているとのことですが、始めようと思ったきっかけを教えてください。

「腹腔鏡手術には内視鏡外科学会が行っている技術認定制度というものがあります。所定の術式の動画を提出して審査を受けますが、合格率が25%前後とハードルが高いです。ただ腹腔鏡手術を行っているものとしては、ぜひとも取得しておきたい資格の一つです」

「この審査に落ちたときの審査員のコメントに『手技が雑、非優位側(利き手の逆の手)の鉗子操作が稚拙(ちせつ)である』と厳しい評価をいただきました」

「これらを克服するのに継続してできる練習方法を考えていた際に、折り鶴に出会いました」

「外科系の講演会(のDVD)で練習方法として紹介されていたので、自分でもやってみたのですが、1時間以上かかって車に轢かれたハトのようなものしかできず、かなり衝撃を受けたのを覚えています」

「鶴が折れる人と同じ土俵で評価される世界で、自分もできるようになれば何かが変わるかもしれないと考えたのです」

「実際に1羽目が散々だったので何とか鶴らしいものが折れるようになろうと続けていたらハマってしまいました」


――圧倒的なスピード感です。いつごろから速さを意識するようになったのですか?

「1000羽折ったときに、ほかに同じようなことをしている人はいないかと探していたところで、ある産婦人科の先生(最強の名医で折り鶴の撮影協力をしてくださっています)と知り合い、『Kaminote Challenge』という折り鶴で競争する企画を始めました」

「もともと速く折ることは考えておらず、キレイに折ることだけを意識していたのですが、この企画で速く折らざるを得なくなりました」

「結果としてキレイに折らないと速くならない、キレイに速く折るためには手順を減らさなくてはならないとの結論に達して折り続けています」

「『Kaminote Challenge』は外科系医師のみならず獣医師、医学生など腹腔鏡手術のトレーニングとして折り鶴を楽しんでいる人たちのコミュニケーションの場となっています」

「このコミュニティーの中では、2分未満で折るのは私だけです」


――「腹腔鏡手術の練習用の箱の中で手術器具を用いてモニターを見ながら折り紙を折っている」とのことですが、手術器具自体は実際の手術で使用するものと同じなのでしょうか?

「右手にも左手にも持針器と呼ばれる腹腔内で縫合する針を持つための道具を使っています」

「右手は実際に臨床の現場でも使われているものを使っています。左手は練習用で実際の手術で用いることができないものですが、持針器としての機能は右手に用いているものと大きな差はありません」


・・・・

10年以上もかけて培った技術だったんですね……! 素晴らしい向上心に、頭が下がる思いです。

また、ナス太郎さんはYouTubeチャンネルでも折り紙作品の動画を投稿しています。ぜひチェックしてみてくださいね〜!

YouTubeでこの動画を見る

NAS / Via youtube.com